制度外就労支援⑥―3年が経ちましたー
制度外就労が始まって今年で3年になります。現在働いている人は、大人2名、若者10名。途中、特養の直接雇用になった人、介護の仕事に興味をもってヘルパーの資格をとって高齢者施設で働き始めた人もいます。
高校の職業体験も行い、そこで興味を持った高校生もアルバイトとして働き始めました。また、作業所とも連携をして、施設外就労として来ている人もいます。
需要(働き手が欲しいという介護現場)と供給(働きたいと思っている若者がいる居場所)が、一致してスタートした就労システム。外から見るとそれだけかもしれませんが、ここにはいろんな人の温かい思いがあります。
今は生きづらさを持っている若者たちに、「働いてみないか」と声をかけてくれる寛容な期待。技術を持つことによって生きづらさが軽減されるはずと本来の清掃業務以外での使命を感じている思い。それを私たちPonteがつなぐチャンスをいただきました。
たしかに、この3年いろんなことがありました。気持ちの波にのまれて調子を崩す人、小さなミスにパニックを起こしそうになる人、他の人との仕事の速さの違に戸惑う人・・・いろんな困りごとがあっても、継続できてきたのは、居場所活動もあって、そこで気分転換をする、考え方を修正する、仕事以外での仲間との関係も作るということを繰り返しながらやってきたかもしれません。このあたりは、(実は公認心理師である)理事長カオルの専門性が生かされているところでもあります。
そして、カフェのおばちゃんである加藤は、ひたすら若者たちに、ちゃんと食べているか聞く。彼らが食べにくるカフェのランチに野菜を盛り込む。シェアハウスに住み始めた若者二人に、カフェ営業後の清掃を頼む代わりに、夕食のおかずを渡す。
カフェスタッフも、おかず作りすぎたからと、今日はひじきの煮物を差し入れてくれました。ご近所さんも、「あの子らにやってくれ」と玉ねぎとお菓子を届けてくれたり。若者たちが頑張っているのを知っているから、いろんな励ましも届きます。そんな中で、最初は「仕事できるのか」と危ぶまれていた若者たちも少しずつ成長していっているように思います。
byえりこ(カフェ店主)
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