田起こし
2021/04/25
2021年の田んぼ仕事の始まりは、田起こしという作業からでした。
昨年の1期目は、わたしが移住して間もなかったこともあり、田起こしや代かきといった作業は農家さんにお任せで、田植えからやらせていただきました。
本当はさらに早い時期に種まきの工程があるのですが、家庭の事情により不参加となり、苗については2期目も農家さん任せという状況です。
田起こしとは
わたしの働いていた農家さんのところでは、田起こしという工程は省いていました。
そのため、このたび初めての田起こしを経験することになり。
正直、田起こしってなんやねんという状態からのスタートでしたが、調べるとさまざまな効果があるということです。
①窒素分が増す
土を起こすことで土の中に空気が入り、好気性の微生物による有機態窒素の分解が起こります。
有機態窒素が無機態窒素に変わることで、植物が吸収しやすい形になります。
植物の生育に必要な元素には、窒素・リン酸・カリウムという3つがあるといわれています。
そのうち、窒素分を土中に増やす意味合いがあるようです。
②肥料や有機物を鋤きこむ
田起こしのタイミングで肥料を撒けば、全体に肥料分を鋤きこむことができます。
また、前年の稲の切り株や雑草などの有機物を鋤きこむことで、土中の微生物が分解し、肥料となります。
我が家は化学肥料を使わない方針なので、このタイミングで米ぬかを撒くことにしました。
このような感じで全面にまんべんなく撒きます。
米ぬかはどこで手に入れる?
米ぬかは、近くの精米所で無料でもらうことができる便利な肥料なので、無農薬無化学肥料で栽培をしたいときの良き味方です。
本当は自分のところで取れた米ぬかを使いたいのですが、昨年は「もみ」で収穫物を保管していたため、精米所で精米するしかなく、ぬかを取ることができませんでした。(家庭用精米機には、もみすり機能がありません)
今年、もし多収量になるのであれば、もみすりまでさせていただき、家庭用精米機を購入しようと検討しています。
また、米ぬかに含まれる農薬は問題ないのかというところですが、米ぬかに残留している農薬まで気にするかどうかは人による、としか言えません。
無農薬栽培をされている農家さん何名かにお聞きしても、皆さん「ごくごく微量なので気にしなくていいのでは」と仰っておられました。
その、ごくごく微量の残留農薬が次期作のお米に含まれる量となると、さらにごくごく微量ということですね。
それでも気になる方はやめておいた方がいいでしょうが、出荷農家でもないので、わたしはありがたく使わせていただくことにしました。
今後、もみすりをして玄米保管し、家庭用精米機を導入できるようになれば、無農薬の米ぬかを投入していき、無農薬無化学肥料栽培としての純度を上げていきたいと思っています。
③土が団粒化する
良い土の条件は、団粒構造になっていることとよく言われます。
団粒化した土は水はけ・水もち・通気性・保肥性・保温などに優れています。
土が団粒化するのを促せるということも、田起こしのメリットとなります。
④雑草を抑えられる
無農薬無化学肥料栽培のキモともいえるのが、いかに雑草を抑えるかです。
前述したとおり、昨年はこの草との戦いに敗北したための減収ではないかと考えています。
田起こしをすることで、草の種を深く埋めてしまい、発芽条件を満たさないようにできるということです。
ホンマに必要なんかな
さて、これだけのメリットを挙げておいてからいうのもなんですが、わたしの私見としては、「ホンマにこの工程っているんかな」という印象です。
一般的には「七回耕起は肥えいらず」などと言われ、耕せば耕すほど肥料もいらない良い土になると言われていますが、このことわざは完全に、わたしがこれまで学んできたことと真っ向から対立する意見なのです。
とはいえ今はまだ、田起こしをしないという選択をするだけの覚悟や、その覚悟を後押しする理由を論理的に述べられるわけでもないので、何事も経験、という気持ちでやらせていただきました。
田起こしのレクチャーと実践
田起こしとはつまり、全体をトラクターで耕すことです。
これまでにもトラクター操作は経験ありますが、車の運転もあまり得意でないわたしは、毎年かならず操作を忘れています。
最初は農家さんとトラクターに乗りながら、どのボタンやレバーを使うか教わり、すぐに実践します。
田起こしされたところと、まだできていないところの差は歴然としています。
本当は動画を埋め込みしたかったのですが、ちょっとやり方がわからず……。
最後は農家さんに手直しをしていただき、この日の作業を終えました。
田んぼについては、次は代かきという作業になります。
お楽しみに♪