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定年後フリーランスになったおじさんの仕事事情

60歳の定年を機に会社を卒業し、退職翌月フリーランス(個人事業主)になったおじさんです。

定年まで勤めていた会社は一応大手と言われるメーカーで、新卒で入社し38年間在籍していました。

生まれてから60歳まで、仕事(報酬を得る身分)としては、学生時代のバイトと38年間の会社員が経験値の全てでした。
転職や副業をしようと思ったこともなく、外部に対し自分をアピールする機会も無いまま60歳まで過ごしてきました。

ずっと雇われる働き方 しかも1社だけ

そんな私ですがフリーランスとなりここで2年2か月が経ちました。

フリーランスのやり方なんてほぼ知らなかったおじさんがどうやってフリーランスになり、そして今どんな風にやっているか。
その辺りを綴ってみたいと思います。

雇用延長は選択せず、60歳からはフリーランスとして活動して行こうと思い立った経緯はこちらをご覧ください。

「会社勤め」から、定年後「個人事業主」へのチェンジ
(その1)(その2)(その3)(その4・完結編)

フリーランスになるにあたっての事前学習・準備

60歳になって一から学習・準備したという訳ではなく、定年の2~3年前から少しずつ模索はしてました。

参考になったセミナーや本は以下でした。
・地元商工会議所主催「創業応援塾」セミナー
フリーランス&“複"業で働く! 完全ガイド (日経ムック) ムック 
最強の「定年後」 野口 雄志 (著)

今振り返ると、もっと準備をしておけばよかったとは思いますが、当時の自分としてはこんなところが精一杯でした。

会社の看板が無くなるということ

会社員は”会社の看板を背負って仕事をする”とよく言われてます。
また、”フリーランスになると会社の看板が無くなる”といろいろな本に書いてありました。

会社の看板って? 

組織力であったり、会社が保有するリソースであったり、その会社が築いてきた信用、ブランドのようなものだったりするのかなと思ってます。

そして初対面の方に、それを背負っていることを示す最初の入口が「名刺」なのだと思います。

退職前後の名刺

退職直前の名刺に掲載されていた内容
 ・氏名
 ・会社名
 ・会社ロゴマーク
 ・所属部署
 ・職責
 ・事業所名
 ・事業所住所
 ・会社メールアドレス
 ・業務用電話/FAX番号
 ・会社ホームページURL
退職直前の名刺はこんな感じでした。

退職直後に作成した名刺
退職直後に名刺を作ることにしました。どこかに行ってご挨拶するにも名刺ぐらい必要だろうと思い。
表記したのは以下でした。
 ・氏名
 ・自宅住所
 ・メールアドレス(以前から使っていた個人アドレス)
 ・個人携帯電話番号
インクジェット用紙を購入し自宅のプリンタで印刷しました。(手作り感満載)

自宅、個人アドレス、個人携帯は仕事をしなくとも生活上必要なものです。これを除くと”氏名”だけしか残りませんでした。
退職を機に”仕事上表示できる看板”が無くなったことをこの時に感じました。

因みに”氏名”は自分そのものです。そこには様々な情報が紐付いています。

私ですが会社員時代に特定な分野・業界で個人として名が知れ渡っていたということはありませんでした。
会社員時代はあくまでも「株式会社***の〇〇〇〇」として、私の氏名は会社名とセットで、限られた関係者に知って頂いただけでした。会社員を卒業した途端にこのセットが無くなりました。
個人として保有している資格も、取り立てて名刺に記載するような資格はありませんでした。

ただ名刺に表記されるのは看板の一部だと思います。
「名刺には載せきれない経験やスキルを持っているさ」と、仮にそうだとしても、フリーランスになって初対面の方にどうお伝えするかを思った時に、戸惑ってしまいました。

退職直後に自己紹介する場面がありました。名前と居住地を名乗った後に、「え~ 以前、株式会社***に勤めてまして、えーと、昔++++をやっていて、元×××です。」 そんな感じの自己紹介を何回かやったことがありました。

フリーランスの看板って

フリーランスになって3か月後に名刺を作成し直しました。
 ・氏名
 ・屋号
 ・屋号ロゴマーク
 ・事業所名
 ・事業所住所
 ・業務用メールアドレス
 ・携帯電話(業務用/個人用を兼用)
 ・業務用ホームページURL
   
だいぶ賑やかになりました。今度は自宅プリンタでなく、ネットで印刷業者へ注文しました。

”氏名”以外の項目を決めるにあたり、退職後2カ月半で下記をやりました。
 ・個人事業主として屋号を決め、開業届を提出
 ・屋号をデザインしたロゴマークを設定
   (ネット経由でデザイナーから購入)
 ・事業所としてコワーキングスペースを契約し入居
 ・独自ドメインを取得
 ・業務用メールアドレスを取得
 ・ホームページを開設(自分で制作)
 ・携帯電話は個人用を業務用としても併用することを決定

退職時(2020年3月)は折しも最初の緊急事態宣言が発令されようとしていた時でした。世の中的に外に出る雰囲気は無く、コワーキングスペースは入居しようした矢先に一時閉鎖となってしまいました。そんな中、退職後2か月間はほぼ自宅に籠ってPC作業をやってました。

屋号の検討、開業届提出、ホームページ制作、コワーキングスペース検討・・・・・全てが初めてのことでしたが(六十の手習い?!)、自宅でのPC作業はそれほど苦でなく、むしろワクワクしながらやってました。

雇用延長なんかしないぞ~という気持ちで会社卒業した直後であり、自分にプレッシャーを掛けながらも、楽しみながらやっていました。
長年の会社勤めに対し自分にご褒美をとして、自由の身を楽しみ、旅行でも行ってみようか、という発想には全くなりませんでした。
もしコロナ影響が無く外出制限が掛かっていなかったとしても、旅行には行かずにフリーランスとしての立上げに専念していたと思います。

そんなこともあり、新しい名刺が届いた時には嬉しかったです。
退職後2カ月半の成果が、名刺という目に見える形になった瞬間でした。
紙質感もなかなかでロゴマークも鮮やか、印刷業者製で自宅プリンタ製とは違う本物感も気に入りました。

仕事の中身はともかく、小さな小さな自分の看板のようものが出来た気持ちになりました。

今の看板

フリーランスになり、現在2年2か月です。
現在の名刺は、最初の自宅プリンタ製から数えて4バージョン目です。
フリーランス3か月後の名刺表記に対し、下記が付け加わっています。

中小製造業向け改善応援エキスパート
公益財団法人 静岡県産業振興財団 診断助言登録専門家
中小機構(独立行政法人 中小企業基盤整備機構)中小企業アドバイザー(実務支援)
沼津市中小企業振興会議 委員
三島商工会議所 みしま経営支援ステーション(M-ステ)登録専門家
ものづくりドットコム登録専門家
ITコーディネータ

「中小製造業向け改善応援エキスパート」これは自分のキャッチコピーで、自分で決めました。
それ以外はフリーランスになって以降に任命、委嘱、認定されたものです。

少しずつすこーしずつですが看板が賑やかになってきました。

ただ名刺は表面的なものしか表記できません。実績、信用、信頼、実力と言ったものは(有るか無いかは別にして)、名刺へは表記しにくいものです。

今はそこら辺を充実出来るよう目指して活動しているところです。
表に見える看板の形は徐々に整備されてきましたが、今後は中身です。

定年後フリーランスおじさん まだまだこれからです 
引き続き楽しみながら頑張っていきます!!


ここまで読んでいただきありがとうございます。

『定年後フリーランスおじさんの仕事事情』は続編を予定してます。
今後もよろしくお願いします!!

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