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毒親の呪い

「ママね、まやちゃんがパパに似てるのが嫌なの」
当時、幼稚園児だった私(まや)に、母が呪いをかけました。
「嫌ねぇ、食べ方までパパに似てるのね」
「そういうパパに似た目つき、やめなさいよ」
 
人の記憶は、どこまでさかのぼれるのか。私はそのときの母の声音、毛虫でも見るような歪んだ顔、言われた言葉、全てを克明に覚えています。
 
そしてその後も母は、小学生、中学生の私に「自分の結婚は失敗だった」「人生、貧乏くじ引いちゃった」と毒を吐き続け、私が父に似ていることを責め続けました。
 
摂食障害になったのは、高校生のときです。30kgを切っても、もっとやせなきゃと思っていました。生理も止まりましたが、私はそれを喜んでいた。
 
私は母と同じ女性であることを拒み、大人の女になることを拒み、消えてなくなりたいと思っていたようです。
 
けれど大学の寮に入ったことをきっかけに、卒業後も一人暮らしを続け、なにかが変わりました。様々な人との出会いもあり、さらに仕事を持って父母から離れたことで、いろいろなことが見えてきたのです。
 
父と母の、男と女としての関係。10歳以上年上の姉をもつ母の、わがままな性格。強い姑と母との関係。マザコン傾向の見られる父の性格。
 
現在、父母とは、もう10年以上会っていません。なにがあろうと会いたくない。そして母のことは、哀れな人だったなと思うようになりました。
 
好きにはなれませんが、自分の娘に毒を吐くことしかできない、哀れな人だと。
 
さらに言うなら、親孝行をしない、いやできない自分に、罪悪感もない。お母さん、あなたの娘として生まれて、私は十分苦しんだ。

親子関係に正解なんてないと思います。ただ、家庭という閉鎖された空間で、つらい思いをしている人がいるなら、今すぐぎゅっとハグしてあげたい。ただ、そう思います・・・


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