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乳がんは一種類じゃない。 わりとサクッと治るヤツもあれば、危険なタイプもあって。で、私のがんは?
腫瘍内科のドクターと面接をした翌日、早口のイタリア語が聞き取れなかった時のため、と録音させてもらった説明をじっくり再生してみると、ドクターは冗談に挟み込んでこんなことを言っている。
「とてもペリコローゾなタイプですよ」。
ペリコローゾとはイタリア語でPERICOLOSO ダンジェラス! 危険、という意味だ。え、私の状況はそれほど能天気でいられるものでもないってことなの? 笑ってたくせに。
乳がんは一種類じゃない
先生の説明とネットの情報を合わせると、乳がん、と簡単に思っていたことの実像が、もう少し詳しくわかってきた。乳がんは大きく分けて、3種類のタイプがあるそうだ。「ホルモン受容体陽性乳がん」、「HER2(ハーツー)陽性乳がん」、「トリプルネガティブ乳がん」の3つ。
私のがんは「ホルモン受容体陽性」で、かつ「HER2(ハーツー)陽性」。ドクターの録音をよく聞くと、これはかなり危険なケースで、だけど、今から10年も経たない最近、このタイプにとてもよく効く抗がん剤が開発されたから、がんを完全に消し去ることもあり得る、あなたは幸運ですよ、と言っている。そうか、10年前だったら、あっという間に死んじゃうタイプのがんだったということ? ひょえー
体調が悪いとか、どこかが痛いなどの症状は全くなかったのに、ある日いきなりがんだと言われて、転移とか生存率とか、死んじゃうことも?と考えるけど、なんだか全然実感がわかないし、そんなにショックとか怖いとかいう気持ちは湧いてこない。根が脳天気なのか、それとも人間の本能が、辛いことにはあまり深く突っ込まないようにできているのかも?
転移があるかどうかが運命の分かれ道?
危険なタイプのがんだけど、いい薬があるし、多分転移もないので大丈夫、治ることは十分期待できますよ、とドクター。でも、その転移があるかどうかはPET検査をしてみないことには正確なところはわからない。転移がなければ、例のとてもよく効くという抗がん剤でがんをたたいて、その後でおっぱいを、多分、全摘して、それで終わるそうだ。でも転移があれば、治療方針もガラリと変わってくるという。癌をやっつける、というよりは共存していく、そんな長丁場な治療になると言っている。えー、長丁場ってなんだよー、と嫌な気持ちになる。
そのPETっていうのは、全身にガン細胞がないかどうかを調べる検査だ。
PET(Positron Emission Tomography、陽電子放出断層撮影)検査は、治療前にがんの有無や広がり・他の臓器への転移がないかを調べる、治療の効果を判定する、治療後に再発がないか確認するなど、さまざまな目的で行われる精密検査です。
普通にこの検査をしたらとても高額で、日本でもイタリアでも3万円から20万円ぐらいするらしい。値段の開きは保険が適用かどうか、ということなのかな? ずっと前、東京で人間ドッグをした時、オプションでつけることができたPET検査は、たしか20万円という値段がついていた。もちろんその時40代で健康だった私はやっていない。会社の経営者とか、たくさんの従業員の暮らしが双肩にかかっているような人がやるものですよ、と言われたっけ。
その高額なPET検査が、私は今イタリアで、無料で受けられる。がん患者が全ての検査を無料でできるっていうなら、これから5年?10年? 再発チェックの検査もタダなのかな?
ラッキー。そのぐらい思わなきゃ、やってられないね。
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