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またまた番外編。イタリアにて、京都吉兆がすごいイベントをするアシストをしていますの巻。

毎週の更新を目指して、今回は抗がん剤治療スタート!の予定でいましたが、先週から今週にかけて怒涛のような日々を過ごしていて断念。治ったばかりなのに無理しちゃだめ!と友人家族から心配されるので、代わりになぜ、怒涛のような日々かという話です。

イタリア、ピエモンテ州ポッレンツォという場所にある「食科学大学L’Universita scienze gastronomiche di Pollenzo」は、日本の人はもちろん、イタリアの人たちからも、シェフになるための大学ね?と誤解されがちだけど、それはちょっと違っていて、食をめぐる経営学やら政治やらジャーナリズム、そして食の安全についての科学的な勉強をする世界初の大学として、2004年にスローフード協会が創立した。

大学校内の歴史的建物は、昔ピエモンテ州の農業研究所だったとか。

ちなみに同じピエモンテ州に暮らす、本職はフードジャーナリストの私は、ここに何度も取材にお邪魔したし、創立者で名誉学長のカルロ・ペトリーニ氏にインタビューをして朝日新聞Webに出した東京オリンピック関連記事は、40万PVを記録するいい記事になった。縁が深いのが高じて、ついに私の娘はこの大学に通い、そして去年の12月に卒業した。

さて、この大学は世界の食を知り、学ぶために、Le Tavole Accademiche(レ・ターヴォレ・アカデミケ)、日本語にするとアカデミックな食卓、ということになるんだけど、とにかく世界の著名シェフや各地の食の伝統を守る活動をしているシェフたちがやってきて、大学の学食で料理を提供するという、なんとも贅沢で羨ましいイベントを不定期に行なっている。フェラン・アドリアやらミッシェル・ブラスなど世界の大物から、エンリコ・クリッパ、マッシモ・ボットゥーラなどイタリアのトップシェフたちが今までにやってきて学食ランチを作ってくれたそうだ。

学食には今まで参加してくれたシェフたちの写真が。世界中のフーディーやグルメたちが
泣いて羨ましがる、イタリアのスターシェフたちも。

そこに今回は日本を代表して京都吉兆の徳岡邦夫総料理長が挑戦することになったというわけ。私は2004年、徳岡さんがスローフードの世界大会「サローネ・デル・グースト」で晩餐会をされたときにお手伝いをしたご縁で、今回もご指名をいただいて、大学との交渉、食材の調達からメニューの翻訳などなどをお手伝いしている。アウェイ、しかも外国で、200人分の、しかも学食という、いつもと全く違う環境、条件でお仕事をスムーズにしていただくためには、本当に細かい仕込みがたくさんあって、吉兆の御一行がイタリアに到着される随分前から、私もバタバタと怒涛の日々を過ごしていたというわけだ。

昨夜は前哨戦で、名誉会長のペトリーニさんにご招待を受け、ピエモンテ料理に舌鼓を打った徳岡さんと、立命館大学食マネージメント学部の石田教授。


旬のポルチーニを吉兆はどんなふうに料理するのか?は
またのお楽しみ!

そんなわけで、今日はこれでおしまい。どんな料理を学生たちが食べたのか!?はまた、次回。


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