お店の味を守り続けて60年 みやメシヒストリーズ② 「東峰飯店」
お店を知り、人を知り、想いを知る。
そんな「みやめしヒストリー」でみんながお店を好きになる。街を好きになる。
みやメシで私たちの宇都宮がより輝くことを願い、お店の想いを紹介していきます!
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第2回目は、大人も子供も大好き!長年地域に愛される「東峰飯店」様です!
「東峰飯店」は来年で創業60周年を迎える超老舗の中華料理屋です!宇都宮大学峰キャンパスから徒歩10分のところに位置し、そのボリュームが喜ばれ、宇大生からは今も昔も愛されているお店です。もはや東峰飯店抜きでは「宇大メシ」は語れません。
ーー本日はお店の2代目店主、五十嵐さんにお話を伺ってきました!本日はよろしくお願いいたします!
1.きっかけ
ーーお店を創業したきっかけはなんでしょうか。
父が中華料理屋を営んでいた友人に、宇都宮に良い場所があると紹介されたことがきっかけです。もともと東京で和食のお店を営んでいましたが、その友人のすすめもあり1961年に「東峰飯店」を開業しました。当時、東峰飯店の周辺には、寿司屋・鰻屋・天ぷら屋などたくさんのお店が並んでおり、商店街のような活気と賑わいがあったんです。今ではそれらのお店は消えてしまって、私達のみが残ってしまいましたが。
2.創業エピソード
ーー五十嵐さんがお店を継いだ形になりましたが、それにまつわるエピソードはありますか。
元々、このお店を継ごうとは思っていませんでした。
学校を卒業し家を離れてからというもの、ダイビングの仕事をしたり、料亭で働いたりとさまざまな経験をしました。そのときに外からみてふとわかる、我が家「東峰飯店」の良さを実感しました。
ボリューム満点の父の料理は、地域の子供から大人までを笑顔にしていき、ごはん時にはいつも住民で賑わう店内となっていました。なかにいると気づかなかったのですが、父の料理はもはや皆さんの日常の一部になっているのだと思いました。
そんな中で、父が体調を崩しお店の存続の危機に直面しました。そのとき私は、子どもの時から見守っていた「父の料理で皆さんが笑顔になる光景」がなくなって欲しくない、と強く感じました。
これこそが私が人生をかけて守りたいものだと気づくことができ、その想いからお店を継ぐことを決意しました。
3.印象的なエピソード
ーーお店を長く営んできて印象に残っているエピソードはありますか。
小学校の同級生が大人になり、自分の子供をつれてお店に来てくれることです。また、数十年前から足を運んでくれたお客さんにとっては、お孫さんや、その子供まで、4世代に渡ることもあります。冷静に考えてみるとそんなお店はないんですけど、60年も同じ場所で続けているとこうなりますよね。
4.やりがい
ーーお店を営む上でのやりがいはなんでしょうか。
お客様の笑顔を見ることが何よりのやりがいです。「美味しかった!来てよかった!」という声は励みになりますし、直接お客さんの笑顔が間近で見れることこそ、飲食店の良さだと思います。といっても、私はいつもはお客さんと直接対面することはないので、台所からこっそりと満足気に帰ってくれる姿を見れることが嬉しいですね。
5.宇大生との関わり
ーー宇大生も働かれているとのことですが、宇大生とのエピソードはありますか?
宇大生だったころから含めて10数年、お店で働いてくれている方がいます。卒業しても尚、宇都宮に住んでいて家庭を持つ傍ら大学生のころと同様にお店の大黒柱として働いてくれています。卒業してもお店の味を懐かしんで来てくれる方もいるので、皆さんにとって「東峰飯店は第2の家」のような存在になれていると思っています。
みやメシ隊員備忘録
お客さんだけでなくお店に関わる全ての人に愛されてきた、東峰飯店の歴史を感じました。
東峰飯店が持つもの、それは「変わらない良さ」。
店主さんは50年前から味は変えてない。メニューも変えてないと仰っていました。人は、「変わらないもの」に懐かしさを感じるのではないでしょうか。
変わらないとは「守り抜く」ということ。
お父様が築き上げたこのお店を、この味を今もなお守り続ける。
そこにあるのは今も昔も変わらない、お客様の笑顔だから。
子供は大人に、大人はお年寄りになっていく。人の成長と共に、世の中も目まぐるしく変わっていく中「変わらないもの」がそこにはありました。
みんなの東峰飯店のおいしさは変わらずあり続けます。
文・取材 笹原、前野
《住所》〒321-0904 栃木県宇都宮市陽東1-7-12
《営業時間》昼11:00〜14:30 夜17:00〜22:00
《定休日》月火
※お店の情報は変更されている場合があります。
詳しくはお店にお問い合わせ下さい。