和歌山県の由良町で、みかんと共に生きた7日間。
さて。
和歌山、と聞いて最初に思い浮かべるものは何だろうか。
そう、みかん。みかんである。
ということで、
和歌山県は由良町へ、みかん農家さんのお手伝いをしにやってきた〜!!
今回は、6泊7日のおてつたび。
波の音がザッパンザッパン聞こえる宿で、脳内に「渚のシンドバッド」を流しながら、釣りたての魚と旬のみかんを頬張りまくった1週間。
みかん作業もさることながら、普通の日常も充実しすぎてて、しっかりエスケープな毎日を送ってしまった。
初めましての由良町
全てがジャストフィットしている街、和歌山県由良町。
風景も、人も、農作物も、そこにあるべくして生まれてきた様に心地良い。いらんもんはひとつもないし、逆にどれも欠けてほしくない。そんな印象を抱く町。
紀伊由良駅からずっと西の方に進んでいくと、映画「溺れるナイフ」で小松菜奈ちゃんが「全部コウちゃんのものなんだ〜!」と叫ぶ山場のシーンで有名な白崎海洋公園がある。
ここは、日本のエーゲ海と呼ばれているらしかった。
私はエーゲ海には行ったことないけど、「マンマ・ミーア」をみたことがあるのでわかる。
多分めちゃくちゃ、エーゲ海。
私が、地元である神戸の景色を「100万ドルの夜景って言われてんねんで」と言うと、たまに好奇な目線を送って来る輩がいるが、是非そういう人にこそ、一回ここに来て欲しい。来たら分かる、多分めっちゃエーゲ海やん。
真っ白な岩肌の奥に、真っ青な海が一面に広がっていて、自然物とは信じられないくらい絶妙な色のコントラストだった。すごい!
白崎海洋公園の案内をしてくれた役場の方も、案内前は「あんまりガイドとかせぇへんつもりなんで、自由に見て下さいね〜!」と言ってたのに、いざ周り出すと知識と愛が溢れまくって、ずっとしゃべっていた。淀みなく放出される白崎情報と一面の絶景に、私の幸せドーパミンも、もれなく大放出されてた。
嗚呼、幸せだったナァ
初めましてのみかん作り
さて、本題のみかん作りのお話へ!
はじめに、今回お世話になったみかん農園の方を紹介させていただきます。ドン!
数見農園の数見(かずみ)さん!
初日に「みかんとみかんジュースは食べ放題や〜」と言ってしまったばかりに、しっかりとのちの自分の首を締めた数見さん。私たちの興味に合わせて本当に色々用意して下さって、みかんの美味しさを丁寧に教えてくれた優しい農家さんだった。
みかんって、「みかん」としか認知したことなかったけど、こうやって飲み比べをさせてもらったり、農園内でいろんな柑橘を食べ比べさせてもらったりすると、種類によって全然味が違うことが分かる。
あとは、冷蔵庫に入ってた旬を過ぎたみかんももらったり、大きいみかんと小玉みかんを食べ比べたりして、「甘さだけ強くても美味しくないんだなぁ」とか、「種類は一緒でも大きさによって味の感じ方が違うんだぁ」とか、毎日みかんの魅力を発見し、衝撃を受ける連続だった。
私が、色々教えてもらった中でも特に驚いたのは、
みかんの傷や黒点で味が変わることはないということ!
今までは、なんとなぁく綺麗なみかんを選り好みしていた私。味は皮のアレヤコレヤとは全然関係なかったんやなぁ…。
それでも、選果場や手作業で一個一個キズや斑点を確認する。そして、見た目が良くないとB級みかんへと分けられる。
私も参加させてもらったんだけど、味が変わらんという情報を聞いてからは、全部美味しそうに見えちゃって全然役に立てなかった。
それどころか、「これはどうですか?これはいけますか?」と、集中する数見さんに永遠と話しかけていたのに、「それはB級やな、それは一級や!」と丁寧に答えてくれた数見さん。
数見さんは心が広すぎるし、選果は難しすぎるし、結局は全部同じ味であるという事実は、多分いつまでも忘れないと思う。
農園では、お父さんに色んな柑橘をもらったりもした。
「これはゆら早生。これはレモン。これは南香(なんこう)。これはみはや。」と次々に私の腕の中に色んな種類の柑橘が入っていく。
背景、由良のお父さん。
私にはもうレモンとみかんの違いしか見分けられません。でも、味の違いはわかるはずですので、是非また呼んでください。右も左も分からない娘ですが、一生懸命さでは負けないです。がんばります。
私が思う都会と田舎の一番の差
実は、今回は数見さんの農園以外にも2つのみかん農園を回った。
各所で、パートのおばちゃんたちや、地域おこし協力隊の青年や、役場の方など、色んな人に助けてもらってきた。
「こんなんやってもよぉ、全然たのしないやろ!」
「大学へ帰ったら何か書かされるんとちゃうか!」
と、由良の人は言うけれど、わたしこそ思う。
「逆に、こんな非力な娘を受け入れてくれてありがとう!」
「由良に来て、皆さんに会えて、一緒に作業できて、ほんまに楽しかったです!」
私が大学最後の年に、田舎に来まくって地元の人たちとしゃべりまくってる理由は、田舎に来ることで感じた自分自身に対しての考え方が好きだったからだ。
大学にいると、なぜか周りからどう見えるかが気になってしまう。「周りは関係ないから好きなことしたらいい!」というアドバイスにはすごく納得もしてるけど、それが何故だか、私にはどうしてもできない。
「あの人の方が向いてるから、私がいたってしゃあないし。」と、悲観することもとても多い。
特に、大学生になって周りの環境と優秀な友達に恵まれてからというもの、贅沢な悩みだけど、自分の好きじゃないところばかりに目が行くようになってしまった気がする。
就活中は、はぁ、とため息をついた自分と毎日向き合う気力との戦いだった。恵まれてるのに、辛い。
いや恵まれてるから、辛い。何でもできるはずなのに、何もできない。頑張れるはずなのに、頑張れない。環境や周囲の人と自分との差が、とてつもなく大きいように感じていた。
そんな時、就活が終わったタイミングで、なんとなく「行ったことない場所行きたいな〜」と思っておてつたびを始めたら、田舎の人たちが、私の良いところばっかり見つけてくれた。
今回も、葉っぱの影に隠れたみかんを見つけるのが早くて「目が良いねぇ!」と笑ってくれたり、みかんを美味い美味いと頬張る私を見て「幸せやわぁ」と言ってくれたり。
若い人の需要めっちゃあるやん!と、気付いてからは、田舎にいると自分を悲観することも自然になくなっていた。
そして、私も私で、
「85歳やのに、木登りしてみかんとってるのすごすぎる…」「ここからの景色、美しすぎる…」「ご飯も空気も美味すぎる…」と、環境や地元の人の良いところにしか目がいかなくて、それを伝えると、「ここはそんなに良い場所なんやなぁ〜!」とかって、笑ってもらえたりもした。
何も考えない時間は大事!
自分の心を守ることは大事!
好きなことが増えれば増えるほど、笑う時間も増える!
そんなことを
学んでいる、大学4年の田舎おてつたびの日々です。
「また来てや〜!」って言う言葉をガチで真にうけて、本当にまたきますよ!日向夏と同じ字で日向子って書くんで、微かでも良いから覚えとってくれっ!!来るからな!私は、また来るからな!!
そんな気持ちで、今、ここを去る日の朝を迎えました。
おはよう!オーシャンビュー!!
ありがとう!数見さん!!
だいすきだ!由良!!
おわり。
読んでくれてありがとうございました!!
浮かれポンチ3連写!!