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子供たちにスポーツを指導する皆様へ

スポーツにケガはつきものですが

よく聞くフレーズです『スポーツにケガはつきもの』確かにそうかもしれません。しかし子供たちを指導する立場の者として最善の努力をもってしても防げなかったものだったのか?もう一度よく考えてみてください。

防げるケガ

あらゆるスポーツには大きく分けて2つのルールがあります。ゲームを成立させるためのルール選手の安全のためのルールです。選手の身体能力の進化やテクニックの進化によりルールも変化していきます。
そして普段の練習の中でもけが防止のためのルール作りが必要になってきます。それを意識している指導者はどれほどいるでしょうか?

学生スポーツに多い防ぐことが可能な損傷

サッカー選手に多い 鼠径部(股関節)の損傷
野球部に多い 野球肘、野球肩
バスケットボール、バレーボール、陸上競技に多い シンスプリントやOsgood-Schlatter disease
これらは指導者次第で防げるスポーツ損傷です。もしこれらの損傷を抱えている子供が自分のチームにいたなら指導者の指導方針や技量が不足している可能性が高いと思ってください。(管理下にない自主練やプライベートで起こることもあるので必ずとは言いませんが)

子供の成長は様々

子供の成長のタイミングは様々で小学生で身長が伸びる子・中学生までに身長が伸び切ってしまう子・高校に入ってから身長が伸びる子もいます。筋力もしかり、早い段階で筋力が発達しハードな練習に耐えうる体を持っている子もいれば食が細く練習量のわりになかなか体が大きくならない子もいます。
それなのにランニング10週とかバーピー50回とか練習は一律… なので体の成長が遅い子・自分の限界を超えて頑張りすぎる子はよくケガをする。しかしこれは指導者の責任によるところが大きい。

情報の氾濫

インターネットの普及や誰でも情報発信できる環境から、様々なスポーツの様々なトレーニング法やテクニックを得ることができます。トッププレイヤー向けの高度なトレーニングや高校生向けの中強度のトレーニングもあれば小中学生向けの基礎的なトレーニングなど…様々なレベルのトレーニング法混在し、さらには間違った方法で紹介されているものや、情報が古く時代にそぐわないものもあります。子供たちに合ったレベルのトレーニングなのか?必要なトレーニングなのか?それを見極める力を持っていないといけません。有名な選手や指導者や強豪校がやっているトレーニングを取り入れたいと思ってしまうことがありますが、高度なトレーニングはしっかりとした基礎があって効果が得られるものです。まして体が充分に発達していない時期にやることはケガにつながるものだということをよく理解していただきたい。そして選手一人ひとりとはいかないまでも、フィジカルトレーニングでは運動強度を3グループに分けるなど工夫があるとスポーツ損傷の発生が抑えることができるでしょう。

準備運動より整理運動

現状を学生たちに聞いてみると準備運動はほとんどの部活やクラブでやっているようですが、整理運動をやっているところはほとんどない…理由を聞くとそんな時間は無いという答えが返ってきます。
今の練習時間を5分削ったからといってそれほど技術的身体能力的な低下は無いですし、その5分を整理運動に費やしたならば確実にスポーツ損傷になってしまう子供たちが減るはずです。
もしどうしてもそんな時間がとれないというならば学生スポーツの段階では、子供たちの体は授業や登校時の移動で体のアイドリングが済んでいることが多いので… 学生スポーツ(特に成長期)のストレッチは準備運動より整理運動に時間を割いてください。準備運動が必要ないとは言いませんがその時間を少し運動後の整理運動に回してもらえると子供たちのスポーツ損傷がぐっと減らすことにつながります。

最後に

ココで書き連ねたものは理想論で実現するのは難しいことは重々承知の上です。人手不足・スポーツ団体の規模・資金などによってできること出来ないことがあると思います。しかしそんなの無理だとあきらめては何の進歩もありません。すぐには無理でもやってみようと試みる創意工夫試行錯誤が、子供たちの未来・ひいては各種スポーツ競技の未来の為になると考えます。

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