【ボタンの博物館@日本橋浜町】小さなボタンに世界の歴史
ボタンの博物館
東京都中央区日本橋浜町1-11-8
1946年創業のボタンを中心とする服飾付属品メーカー、アイリスが運営している「ボタン」だけの博物館です。
完全予約制で、webサイトのフォームから予約できます。学芸員さんがガイドしてくださるガイドツアーが不定期に開催されていて、入館料にプラス500円になりますが、ガイド付きにして大正解でした。とっても気さくな学芸員さんがつきっきりで解説してくださいます。
館内は外からの印象よりずっとエレガントな雰囲気で、まるで高級テーラーのよう(入ったこと無いけど)。訪れた回は私を含めて2名の来館でしたので、じっくりゆったり閲覧できました。
はじめに5分ほどの博物館の成り立ちやボタンの起源などの概要VTRをみたあと、展示をまわります。
古代ギリシア、ローマ帝国などで衣服を止めるのに使われたボタンの前身というブローチ状のフィビュラ(fibula)にはじまり、世界各国から収集されたボタンを順にみていくのですが、1点1点が工芸品・芸術品のようでした。素材、モチーフ、年代、国別に約1600点を展示されているそうです。
博物館のwebサイトに、展示されている主なボタンの解説音声ガイドもあります。けれど、ガイドツアーの学芸員さんは展示物の由来やエピソードなど丁寧に解説してくださるうえに、絶妙なタイミングでこちらに質問を投げかけてこられたりと非常にお話が上手でわかりやすく、楽しい〜!と集中していたらあっという間に1時間以上が過ぎてました。
石、木、骨や角、貝といった自然素材から布やガラス、金属、樹脂、プラスチックへというような素材の変遷。彫刻、刺繍やモザイクなどの手作業から工場生産に変化していく様子。用途もただ留めるだけでなく褒章や記念品だったり地位や職業を示すものからファッションまで。その時代や地域の社会背景を反映した用途やモチーフ、デザインなど、様々の視点で眺めることができてとても勉強になりました。
常設展示なので、展示のネタバレを避け詳細は記しませんがとにかく実物をみると、この手でつまむことができるような小さな中に、驚くことが一杯で感動的なのです。
そういえば小学校5年生で家庭科の授業がはじまるとほぼ初っ端くらいでボタン付けを習いましたよね。そのくらい、ずっと日常に結びついているボタン。小さくてあたりまえすぎて服の一部くらいにしか感じていなかったけれど、敢えて注目してみたら、ぎっしり大きな世界が詰まってました。
博物館には株式会社アイリスのボタンだけではない膨大な種類の服飾附属品のカタログもあります。可愛いボタンの販売も少し。思わずネコボタンを購入。
学芸員さんが「またいつでも遊びにきて、お話しましょう!」と仰ってくださったので、また行こうっと。
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