【本紹介♯100】生と死は隣り合わせ
数ヶ月前に紹介した本のシリーズが読めるようになっていました。
お医者さんのお話
どうして響いたんだろうなあと悩んでいたのですが、この本には単純に
がんばろう!がんばって生きよう!病気に打ち勝とう!という一方的なメッセージを感じないんですよね
いろんな考え方の人が出てきて、それぞれの価値観がある
どれも間違ってないし、どれにも共感できる
そんな受け手にかなり委ねられた作風がいいのかもしれない。
今回ご紹介するのは、上下編でした。
まだ上しか読んでいないので、上だけになります…
メインの話はエイズにかかった二人の患者です。
ひとりはチャラくなりたいモテたいと思う青年
もうひとりはその青年の恋人
この青年がなかなかイライラさせられる…笑
こういうイライラさせる人の心理や行動を上手く描写できるのってすごいよなあとしみじみ思います。
病気を前にした人間模様や、エイズという病気についても詳しく書かれていました。
私はエイズについてほとんど知識がなかったので、罹ったら死ぬと思ってました。
現代医療だとそうでもないようで、エイズは治る病気になってきているんですね
こういう怖い病に罹った患者さんに対して、医師はどう接するべきなのか…なかなか難しい問題だと思います
死とあまりにも近い距離にいる職業だから、単純に病気を治すカッコいい職業というよりは、本能剥き出しの人間たちとどう関わっていくか、みたいな
コミュニケーション能力が非常に必要とされる職業ですよね、医者って。
こんな風に小説とはいえ、若い人たちが死に近い病気に罹り、日常生活を送る人たちと一線引かれた位置に追いやられる姿を見ていると
今の自分の環境がいかに恵まれていて、有限なのかということが思い知らされますね。
気づかないうちに贅沢になって、求めてばかりいるのかもしれません。
何度もこうして、死とはなにか生とはなにかと考えることは、人生を無駄に消費しないためにも重要だと感じました。
どうやら、映画化もするみたいなので楽しみです!
興味のある方はいかがでしょうか。
以上、みかんでした。