接客が苦手だった私が、はじめに身に付けたスキル
売り方より先に関係を築く
売れない販売員時代の一番の悩みは「どうやったら売れるだろう」という「売り方」の悩みでした。
先輩が接客をしている姿を見ては、あの人はどうやって売っているんだろうと観察したり、最後の押しの一言はなんて言っているかを、いつも聞き耳を立てて聞いていたものです。
今思うと、なんて浅はかなことをしていたんだと思いますが、あの時はほんとうに必死でした。
そんな私が売れる販売員になるための最初の一歩を踏み出せたきっかけが「笑顔」の効果を体験したときです。
笑顔といえば、誰でも簡単にできる身近なスキルであり、対人関係においては最大の効果が得られるとも言われています。
販売も売上をゴールにしてしまうと分かりづらいですが、お客様との関係を、短い時間でどのように築くかが試されている仕事でもあります。
まずはそこなんです。そのための近道がまさに「笑顔」なんです。
お客様を笑顔にする笑顔
ある時、地方店から実力のあるスタッフが研修に来ることになりました。
まだまだ接客に自信がなかった私は、自分の方が先輩ではありましたが、このチャンスを逃すまいと必死にそのスタッフの接客を観察します。
不思議と彼女が付くお客様はみんな笑顔になっている。接客に付けなくてもアプローチをしただけでお客様は笑顔で彼女の元を去っていきます。
接客に付いたら付いたで、短い時間で意気投合して、始めて会ったとは思えないほど親しげにコミュニケーションを取り、その後の提案もなんてスムーズなこと。何よりお客様がめちゃくちゃ楽しそうでした。
接客をしたことがある人なら分かるかと思いますが、お客様全てを笑顔にすることは、簡単ではありません。
私も例外ではなく、お声がけしても、そっけなくあしらわれることの方が多かったですし、付き方が悪いと無視されることも少なくありませんでした。
彼女は何をしていたのか・・・
それは、面白い話をするわけでもなく、ただひたすら溢れる笑顔でお客様を迎えていた、ただそれだけでした。
なんと!これが、笑顔の効果!?
それまで笑顔は当たり前にできていると思っていた私でしたが、ただ笑顔をつくるのではなく、「お客様を笑顔にする笑顔」が出来ていなかったのだと気づき、最高の笑顔づくりを徹底することに。
接客に付いていても、付いていなくても、スタッフと話すときも、基本は笑顔を絶やさず、ニコニコ。
続けるうちに分かったことですが、笑顔には沢山の効果があります。
・笑顔は伝染する
・ポジティブな気分になる
・表情筋があがり、接客トークがハキハキスムーズに言えるように
・お客様を含めた、周りとのコミュニケーションが円滑になる
ほんとうに良いことしかない。
当時、社内で始めて企画した研修も「笑顔研修」です。
笑顔は当たり前すぎてみんな出来ていると思っている部分ですが、お客様まで笑顔にしてしまうほどの笑顔を作っている人は本当に少ないです。
誰でもできること、だからこそそれなりになってしまうのかもしれません。
まとめ
こんなことで?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、騙されたと思って、是非試していただきたいです。
接客は鏡です。
鏡の中のお客様が先に笑うことはありません。こちらが先に笑顔になることで、お客様もそれにつられて笑顔になってくださるのです。そしてお客様にも笑顔の効果が発動し、2人の距離はぐっと近くなります。
接客中はお客様の表情をバロメーターにするのがおすすめです。(接客中は自分の顔が見れませんからね)
みなさんは、お客様を笑顔にできていますか?