見出し画像

転職の現実がわかる&魔王の厳しい言葉がやみつきになる『転職の魔王様』第8話

まだまだ日中は厳しい暑さが続いていますが、朝と夜は過ごしやすくなりました。日暮れもいつの間にか早くなっていますね。秋が近まるとなんとなく感傷的な気分になってしまいます。

夏ドラマも残すところ、あと1~2話ぐらいになっていますね(一部を除いて)。

今回は何事にもクールで手厳しいキャリアアドバイザー来栖(成田凌さん)の、核心をつく言葉があったのでそれを書き留めておきたいなと。

『転職の魔王様』 9/4 第8話  ※ややネタバレあり

駆け出しのキャリアアドバイザーの未谷千晴(小芝風花さん)と偶然の出会いから親しく会話を交わすようになった謎の男(イケメン) 天間 (白洲迅さん)。
正体は、同業者 (別の転職エージェント) だったのでした。

そして今回の転職希望者は、大学卒業してフリーライターとして活動し、有名メディアへの掲載実績もあることから自己評価がすごく高い、正社員として会社に勤めてみたいという、28歳の自意識過剰で自信家の石岡 (飯島寛騎さん)。

天間の会社と来栖の会社の2社の転職エージェントを打ち合わせに同席させて天秤にかけ、転職を試みようとするところからして、石岡は失礼な人間。しかもビッグマウス気味。

それでも来栖(成田凌さん)と千晴 (小芝風花さん)は困惑しながらも対応することに。 天間は、厳しい来栖とは対照的に優しく親身に対応することをモットーとしていて、それが裏目に出る・・という流れ。

石岡は、言うことばかり立派で何かと上から目線。
「でも、ほらよく言うじゃない、他人に使われる人生じゃ成功者と呼べない、って」とドヤ顔で来栖たちに語る石岡。
さらに、
「会社員になりたいのは、会社員としてのキャリアを積めば自分の市場価値を高めることにもあると思うので、それもいいかなーと思って」

甘い甘い。(心でつっこむ)

「希望はネットメディア関係。その他は出版、広告関係。出社は多くて週2回。ぐらいですかねー。いまどきリモートとかできない会社って将来性ないと思うんでー。あー、あと、働かないオジサンが偉そうにしていない会社がいいかな。年収はこだわらないですけど。まぁ、同世代の会社員ぐらいはほしいですかね」

おいおい、言いたい放題だな。

実は、石岡はフリーライターとしての実績はここ3年程なく、アルバイトで生計を立てている。
学生時代の友達も今は会社勤めしていて、会社の愚痴を言い合う彼らを複雑な表情で見ている石岡。
やっぱり石岡も真面目に考えているのかな、という部分がチラリ。

それにしても、生意気にも気取ってニヤケながら大口たたく石岡を演じる飯島寛騎さんの演技は何気にうまい。人前では強がっているけど⋯という陽と陰の演技。

ドラマでは、年収につい千晴が「28歳ぐらいですと、年収は平均で400万前後ぐらいでしょうか…」と戸惑いながら言うと、
西岡は「んー、それくらい、、でしょうかね~」と言いつつ、本人は平均年収がどの程度かよく分かっていない感じ。

それを聞いて来栖は
「週2出社で年収400万・・・」。

そりゃ、あきれるよー。

続けて来栖は「西岡さんの場合、メディア系でも未経験者と見られます。正確に言えば、〝正社員になりたいフリーター〟として選考されるはずです」と。
(き、きびしい・・)
自分を過大評価していた西岡は軽く衝撃を受ける。
経歴に載せるにもフリーライターとフリーターじゃ違ってくる。

一方の天間は、優しく希望を持たせるようなアドバイスをする。
天間の柔らしい対応は、利用する方としては嫌な気持ちになることもなく、ありがたい。その優しさは一時的に相手の気持ちを押し上げるが、本質の部分でマッチングしているかどうかは別問題。
求職者からみたら天間は「天使みたいな人」と言われ、「魔王」と呼ばれる来栖とは対照的。

来栖・千晴が勤めるシェパードキャリアの社長・落合洋子(石田ゆり子さん)は、現実の難しさを漏らします。

「今の会社って職歴の空白に厳しいでしょ?新卒カードを手放した時点でルールから外れたって見られるし。働き方なんて人それぞれでいいのだろうけど、その辺まだまだ課題が大きいのよ。職歴の空白問題。妊娠・出産もそうだし、病気で空白ができる人だっているのに、社会は受け入れてくれない・・」

天間の紹介した大手ニュースアプリ会社への正社員として就職することになった西岡だが・・。

その後、ドラマでは欠かせない起承転結の「転」があり。

西岡が「とにかく期待がすごい。みんなからプレッシャーをかけられて、追い込まれて苦しくなって・・あんな環境では結果を出し続けるのは無理に決まってるでしょ」と心の内をさらす。

来栖は表情一つ変えずに
「そんなことは当然です。手取り足取りレールを敷いてもらったんですから、期待が上がるのは当然でしょ。会社員だって敷かれたレールの上にただ乗っているだけじゃだめなんですよ」といったあと、こう言う。

「あなたはどうしたいんですか」

「自分の意志や自分の武器を持たないままただレールに乗っているだけでは苦しくなるのは当然でしょ。ビジネス書の著者もキャリアアドバイザーもあなたの人生に責任を持つことはできません。誰かのせいにしても何も変わらないんですよ」

「あなたの人生、それでいいんですか」

き、きびしー。けど刺さるー。

優しい言葉かけをしてくれる天間タイプは傷つくこともないけれど、それだけが優しさではない。
来栖のような厳しい指摘や言葉も、その人が気づいていなかったことを気づかせてくれる、自分に向き合わせてくれる優しさを含んでいる。
どちらも根底は「転職を希望する人のサポートを精一杯やる」というキャリアアドバイザーの目的・思いは同じ。

今の時代は、厳しい言葉を相手に投げることは難しくなったけれども、それによって相手のプラスになるのであれば全然ダメじゃない、のかなと。

厳しい言葉は自分が傷つくから言われたくないけど、来栖氏のような、相手をしっかり見極めて的確なアドバイスをしてくれるなら・・。

ドラマを見ていると、来栖の厳しいコメントが病みつきになるんですよね。きつい指摘を期待してしまうというか。(どエムか)

『教場』の風間教官にしても、このドラマの来栖にしても、彼らのような厳しいことを言う指導者は、自分の弱点や短所を面と向かって指摘してくれるからありがたい存在とも言えるわけで。
自分のことを客観的に見るのは難しいので、言われて気づくこともあるでしょうからね。

話がそれましたが、まぁ実際転職となると、理想より現実で、勤務地が近いかどうか、とか、家庭を持っていたら残業がどうか、とか、パートかバイトかフルタイムかなどの雇用形態とか、そこで何がやりたいかより生活スタイルにあった条件が優先されますよね。
難しい⋯

私も過去に転職経験ありなので、なかなか興味深く見れるドラマなのでした。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?