『イップス』タレントさんのイメージが拭い去れない残念さがある（個人的感想）

春ドラマもだいぶ始まりました。ある程度初回は見るようにしています。
微妙な感じのものもそのまま見続けたり。
その中で『イップス』について。

『イップス』フジテレビ 金曜夜9時
【脚本】オークラ
【出演】篠原涼子  バカリズム  渡辺大知  味方良介  ほか

篠原涼子さんは、ミステリー小説家・黒羽ミコを演じ、バカリズムさんは、イップスが原因で捜査ができなくなってしまった警視庁捜査一課刑事・森野徹を演じています。

犯人が事前にわかっていて、ミステリー小説家とワケあり刑事のコンビがトリックを明かしていくタイプのドラマ。バカリズムさんが出ていることもありコメディ要素も強め？

面白いと言えば面白いのでしょうけど、どうも乗り切れない。コメディ感も出したいからか、殺人事件なのにノリが軽すぎて不謹慎さを感じなくもない⋯。

黒羽ミコ（篠原涼子さん）が、人が死んでいるという状況なのにその現場を見てショックを受けるでもなく野次馬のようにはしゃいでみたり、小説のネタになりそうだと謎解きに張り切ってみたり、コメディドラマといえども、黒羽ミコと森野のやり取りがただ不謹慎な人たちに見えてちょっと引いてしまうんですよね。

そして、バカリズムさんも演技は上手いと思うけど刑事という役よりバカリズムさんにしか見えない。
篠原涼子さんも割と「篠原涼子」が前面に出ている感がするような⋯。
バカリズム＞刑事 であり、篠原涼子＞小説家 なのよね。

なんでかというと、私が思うに、バカリズムさんは見た目の印象が固定されすぎている（定着している）のも一つの要因かなと。

俳優さんはお芝居することが本業なので、その役に合わせて髪型や髪色を変えたりメイクを変えたり服装を変えたりして変化することが多いけど、役者ではないタレントさんなどがドラマなどでお芝居するときは本業であるタレントのイメージは保っておきたいから見た目での変化をつけられない。視聴者もそのタレントそのまんまの姿で見るから役のイメージが馴染まない、のでは？

ドラマのバカリズムさんは髪型も格好もそのままなのでバカリズムさんにしか見えず⋯。「春になったら」の木梨憲武さんも木梨憲武さんにしか見えなかったし（あれはあれで見ていたら最終的には違和感はなくなりましたけど）。キムタクがどの役をやってもキムタクと言われるのもそうだし。

『ブラッシュアップライフ』に出ていたバカリズムさんは、そこのシーンだけコント風の作りになっていたしバカリズムさんとして見えていても許容範囲内でしたが（登場時間も少なかった）。

深田恭子さんも、本業は女優さんでしょうけどどの役をやっても深キョンに見えるのは、髪型やメイクがいつも同じ深キョンだからかなと。
（髪型を変えたりイメチェンは制約があってできないんですかね？）

マツコ・デラックスさんやカズレーザーさんがドラマに出ても、あのままの風貌で出るならマツコ・デラックス役かカズレーザー役としてしかやれないですよね。黒髪の短髪＆メガネと髭ぐらいのビジュアルで役に染まれば別人に見えるでしょうけど。

その点、俳優さんは役によって七変化できるから見ていてすごいなと思うしその分物語に集中できるような。

たとえば矢本悠馬さん。ヤンキー役、お人好しな友達役、オタクな看護士役、熱血なサラリーマン役、などなど別人かと思うほどの演じ分け。
まさにこの『イップス』では刑事役、この他にも同時期ドラマ『舟を編む』で製紙会社の会社員役、『Distiny』では主人公の大学の同級生役など並行して出演しているけどそれぞれ別人物（＝その役）に見えます。

渡辺大知さんも『イップス』に出ていますね。彼は他にもさまざまなドラマに出ていて全く別人に見えます。現在～直近のだと『光る君へ』、前期ドラマ『厨房のありす』『季節のない街』などにも出られていますが、元が同じ俳優さんには見えないほど。

他にも菅田将暉さん、神木隆之介さん、間宮祥太朗さん、松坂桃李さんあたりの主役級でも全く違うキャラで視聴者を引きつけてくれます。
女性だと最近では奈緒さんとか波瑠さんとか、長澤まさみさん、杉咲花さんとか。
OL役から医療もの、サスペンス、コメディ、シリアス、恋愛系からヒューマン系まで、いろんな職業も違和感なくごく自然に演じていらっしゃる。

俳優さんがいろんな役をやるとしても、役どころとしてはその役者さんのイメージがあるので似たような役というのは大いにありますが、それでも役作りによってその作品にしか登場しない人物をきっちり演じているので俳優さんはやはりお芝居のプロなんだなと思うのです。

タレントさんから俳優業にシフトして成功されている方もたくさんいるので、タレントがドラマに出てダメなわけではないけど、作品を見ていると「この人じゃなかったらよかったのに」と感じることは少なくないわけで。

ちなみに私の中では、めるるさん（生見愛瑠さん）は、タレントさんでも十分女優といっていいほど実力はあるなと認められる人ではあるかな（特別扱い？）

「タレントに合う役」を作るのか「その役に合う俳優」を探すのか、そのスタート地点から変わってきますよね。

単に見る側なので私って言いたい放題ですね！

この俳優さんは七変化するな、って思う俳優さんは他にいますか？