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朽ちてもなお存在感
何年か前に撮っていた写真。
いつかのおつ(乙)なやつ。
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weblio辞書によると、
「乙なもの」とは、気が利いていて、ちょっといいと思わせるさま、他もよいが、これもまた趣があってよい、といった意味で用いる。とか。
2枚の写真を撮った場所は、母親がかつて再婚して移り住んだ、山のほうのとある田舎。
そこで生まれ育ったわけではなく、そこには友だちも親戚もいないけど、なんとなく母たちが住んでいるその家を「実家」と呼ぶようになった。
育った土地でもないから愛着はそんなになかったけど、長年母が住む家に行き来するうちに、そこにある自然や風景や、鳥の声、虫の声、木の葉が風に吹かれてざわめく音など、聞こえてくるいろんな音などが好きになった。
実家にはもう母たちはいないが、それでもたまにそののどかな風景を見たくて、自然の音を聞きたくて、ドライブがてら車でふらっと行ってみることがある。
実家のまわりは林もあり、ちょっとした森林浴もできる場所。
ぶらぶら散策すると、きれいな花も咲いているけど、誰も手入れしていませんよと言わんばかりの光景にも出くわす。
枯れた紫陽花や朽ちた樹木がひっそりと曇天のもと佇んでいたので、それが妙に乙なものに思えてきてスマートフォンでなにげに撮ったんだった、と思い出した。
美しいものや華やかなものや活気のあるものとは違う、なにか妖しげでアンニュイで、なにかちがうパワーを放っているもの。
活気がなくても、ひっそりとしていてもどこか存在感を出しているもの、ってなんか素敵。
こういうものにもどこか惹かれるんだな。
◇ ◇
《追記》
シタマチ記録保存館さんの「枯れの美学」という写真を見て、枯れた紫陽花を撮ったりしたことを思い出したので書いてみました。私の写真はど素人レベルなのでそこは不問にしてください笑。