毒親の父との対峙シーンと、それでも親子感が印象的だった『クラスメイトの女子、全員好きでした』
『クラスメイトの女子、全員好きでした』
日テレ(読売テレビ) 木曜夜11時59分~
枝松脛男(木村昴さん)は、直川賞をとった作品が盗作だったとネット配信で独断でカミングアウトしたあと、放心のままに実家に戻り、父・富士夫(皆川猿時さん)と久々の再会を果たす…。
毒親っぽい父・富士夫でも、それなりに優しい父親だったし、中学時代も反発しながらも父を受け入れてきた脛男(スネオ)。
実家に戻ってきても、お互い素直になれずに顔を合わせたとたん大げんか。
だが、その直後に富士夫が倒れ…。
スネオの父との思い出といえば、中学時代、スネオ(中学生役は及川桃利さん)のバック転の練習に富士夫はスポ根さながらの熱血ぶりで指導にあたる。
そのおかげで「地蔵の佐藤」と呼ばれる無口な女子・佐藤さんの前でバック転を披露してみせ…。
本ドラマは中学時代のスネオの淡い恋心を回想しつつ、小説を盗作してしまったものの、その原作を書いた本人を編集者・片山美晴(新川優愛さん)とともに探す、というストーリーですが、私が感じるに、ユーモア7割・ピュア1割・温かみ2割の比率で、シンプルな面白さがあります。
かつ、現在(大人版)と過去(中学生版)と、一つの物語で二つのシチュエーションが並行&交錯するのでそれぞれに楽しめます。
中学生のスネオ役の及川桃利さんもとてもいいですね。名前はスネオだけど、キャラ的にはのび太みたい。ダメなところも多いしいじられキャラだけど優しい。
いろんな個性のある女子を好意的に受け入れ、好きになってしまう、そういうどこか素朴で愛嬌のある男子中学生をうまく演じています。
ついでに言うと、大人のスネオ役はジャイアンの声優の木村昴さんという妙な関連性が(笑)
それぞれの回に出てくる女子も個性と味わいがあって、役者さん(子役と呼ぶには違和感がある)としてもレベル高いというか。
今後いろんなドラマに出てくるでしょうから、楽しみです。
主演の木村昴さんと、新川優愛さんのコンビもとてもよくて、しんみりしそうでしんみりしすぎない、ドライさとおかしみがちりばめられているのが現実的で、共感もてるような気がします。
脛男のバイト後輩で隣人の金子役の前原滉さんもいろんなドラマにひっぱりだこですが、今回の金子のキャラはとても好き!
(『スカイキャッスル』では、謎めいたカリスマ塾講師を演じる小雪の部下役をしていてこちらは真逆の陰険な雰囲気が対照的)
そして、このドラマのエンディング曲も好き。
YouTubeで何度も見ました。
「ユーエンミー」須田景凪