「記者クラブいらない訴訟」　本人尋問期日は来年３月２４日に決定

　２０２０年７月２８日に鹿児島県庁舎内で行われた新知事就任記者会見をめぐり、会見を取材しようとしたフリージャーナリストに対して、地元記者クラブ「青潮会」が、記者クラブの「ルール」に従わないことを口実に実力で妨害した行為が不法行為にあたるとして、当時の幹事社と同社社員を相手どった損害賠償請求訴訟（原告：寺澤有・三宅勝久、被告共同通信社ほか２名。東京地裁民事４２部、令和５年ワ１９０６６）の第８回口頭弁論が、１８日、東京地裁であり、来年３月２４日に原告２名と被告２名の本人尋問を行うことが決まった。
　
　尋問期日と尋問の要領は次のとおり。

日時：２０２５年３月２４日午前１０時２０分から東京地裁５２６号法廷。

（午前中：１０時２０分〜）
１　原告・三宅勝久（主尋問４０分）
２　原告・寺澤有（同上）
（午後：１３時２０分〜）
３　原告・三宅勝久（反対尋問２５分）
４　原告・寺澤有（同上）
６　被告・前田晋吾氏（主尋問２０分、反対尋問３０分）
＝当時の共同通信社鹿児島支局長
７　被告・久納宏之氏（主尋問３０分、反対尋問４５分※）
＝当時の共同通信社鹿児島支局員
※あくまで目安。やむを得ないときは延長可
　
　尋問に備えて衣斐瑞穂（えび・みずほ）裁判長は、争点を次のとおり確認した。
・被告前田、久納、共同通信の不法行為が成立するか。
（主催について）
・知事記者会見の主催者が鹿児島県である場合、青潮会の妨害行為が不法行為を構成するか。
・知事記者会見の主催者が青潮会の場合、青潮会の規約が妥当なものであったか、不法行為を構成するか。（予備的主張）
・知事記者会見の主催者がいずれであれ、青潮会が原告らの取材を妨害したことが不法行為を構成するか。（同）

　また、尋問で確認したい事項として、
・主催者性に関する事実関係
・適用された規約の合理性
・妨害行為の事実関係
――を列挙した。

　２０２３年７月の提訴から１年４ヶ月を経て審理は最大の見せ場を迎えた。多くの方の傍聴をお待ちしている。