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#180 フードシステムソリューション2024(その4) 〜「ランチボックス方式」はダメなのか?

年に1回開催されるフードシステムソリューションは、厨房メーカーが勢揃いし、最新の機器展示があるだけでなく、開発担当の方々が集う場であり、これからの学校給食調理場に関する様々な問題点を知り、その解決に向けた意見交換ができる、私にとっては非常に貴重な場です。
今回は、昨年参加できなかったので、2年ぶりに参加しましたが、円安の影響を受ける日本経済の状況や、少子高齢化による労働市場の変化、食材や建築資材の値上がりなどの影響を受けて、これからの危惧する意見が多くみられたのが特徴だったと思います。
今回は、それらを踏まえて、今後、学校給食調理場がどういう方向に動いていくのかを考えてみたいと思います。


最近のランチボックス式学校給食の動向について

学校給食が地方選挙のネタになることが最近増えてきました。選挙の様子を見ていると、とにかく「学校給食のおいしさ」「学校給食の安定提供」に向けて考えていく、ということについては、コンセンサスは得られているように思います。学校給食廃止!なんて意見は皆無ですから。

特に都市部に多く見られるのが、「ランチボックス」から「配缶方式」へ変更しようとする提案です。「ランチボックス方式」というのは、副食と言われるおかず数種類を一つの箱に入れる方式なのですが、この場合の衛生管理の基準は「冷やして菌の繁殖を抑える」というやり方になります。

ランチボックス事例写真(鎌倉市)

なので「ランチボックス方式」から「配缶方式」に変えることで、温かい給食を届けよう!という話です。配缶方式は、熱い状態をキープすることで菌の繁殖を抑える方式となるので、調理場の設計が変わってきます。そのあたりは以前noteに書いてあるので、参考にしてください。

実際に「ランチボックス方式」の見直しを検討している事例

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