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ハンズオンと間接的な影響力 (vol 121)

こんにちは。 三宅@人材価値の種蒔き駐在員(Hiro san) です。

ハンズオン・マネジメントができないといかん

よく聞く一方で、誤解されている様にも感じます。
ハンズオンは、全てを自らが直接対応する事ではありません
ハンズオンマネジメントで効果を上げるには、間接的な影響力を上げることが重要です。

日系の企業ではハンズオンのマネジメントスタイルが求められています。
私自身も、周りのメンバーにハンズオンを求めています。
ハンズオンマネジメントと聞くと、何でもかんでも、自分が直接的に物事を進めないといけないと思っている人が多いのではないでしょうか。
日本人の駐在員、海外現地のマネジャー層を見ていての印象です。

マネジメントで使われる「ハンズオン」は元々、

「買収した企業に対して、自社の経営陣を直接送り込んで、自社の価値観に統合させる管理のスタイル」

を意味してします。

価値観や文化の統合を相手の方針に任せるのではなく、状況把握しながら自らの方向に合わせるように関与して、管理することです。
全てを自分の手で行うことではありません。

マネジャーが、直接的に現場に行って状況を理解し、直接的に個別の指示を出し、直接的に結果を確認するということではないのです。
これに反して、組織が比較的小さい場合には、マネジャーの直接管理が求められる場面が多くなりがちです。しかしこれは、本来のマネジメントの機能ではないでしょう。

マネジャーの機能は、「ハイ アウトプット マネジメント」の中で、元Intel社長のアンドリュー・グローブ氏が強調しているように、
  「テコの作用を使うこと」です。
(出典:Andrew S. Grove著 High Output Management)
ハンズオンでやるからと言って、全てを自分の手で行っていては「テコの力」で組織を動かすことはできません。

テコの力を最大限発揮するためには、間接的なマネジメントが不可欠です。
これをハンズオンにするには、3つのポイントを押さえる必要があります。

1. マネジメントの方向が外れることがないように、組織の方針や価値観、
 ビジョンをしっかり伝えること。
2. 任せっきりにして放任するのではなく、状況の理解を怠らないこと。
3. 部下の力が最大化できる環境を整え、部下に任せること。

ハンズオンマネジメントは、全てを直接コントロールするのではなく、
ビジョンや価値観を共有し、権限委譲を使って、間接的に組織への影響力を最大にすることなのです。

Direct and Indirect Influence
Our company has about 300 employees. I find that it is difficult for me as a top management to talk to everyone directly. Therefore, I would like to talk with managers and leaders and hope that my values and intentions will be delivered to each TM.
It is not a direct influence, but an indirect influence to deliver my values.

In general, the higher the job title is, the greater the proportion of this indirect effect.
What approach do we need to take, to get more people to understand our thoughts indirectly?

As the position changes, it is necessary to make efforts to gradually change the way in which our influence is exerted.
I expect you to establish your own style to influence others indirectly.
直接的な影響と間接的な影響
私たちの会社には約300人の従業員がいます。トップマネジメントの私が直接全員に話をすることは難しいと思っています。
そこでマネジャーやリーダーと話をして、そこから私の価値観や意図が各TMに広まっていくことを期待しています。
直接的な影響力ではなく、間接的な影響力で価値観を広めるやりかたです。
一般に、役職が高くなるほど、間接的影響の比率が大きくなります。
間接的にあなたの考えを多くの人に理解してもらうには、どんなアプローチが必要でしょうか?
役職の変化とともに、影響力発揮のしかたを変える努力が必要です。
間接的に影響を与える自分なりのスタイルを確立してほしいと思います。

「権限委譲」を考えることで、マネジメントスタイルについても色々と考えるようになりました。

権限委譲して任せる。マネジメントの機能として重要な側面です。
これに対して、「ハンズオンであるべき」という言葉を「直接行動」と同じように認識してしまうと、権限委譲が妨げられてしまうかもしれません。

権限委譲とハンズオンは両立するマネジメントスタイルです。

最後まで読んで頂き、ありがとうございます。


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