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「味いちもんめ」で煮浸しになぞらえた話とトレーナーマインドの話

SMAPの中居くんが若かれしころ、「味いちもんめ」というドラマに出ていて、毎週楽しみに見ていた記憶があります。

僕は小学生?中学生?だったような気がしていたのですが、実際にはいつだろうと思って調べてみたら1995年に第1シリーズ、1996年に第2シリーズが放送されたんですね。おもしろかったなぁ。

料理人をモチーフにしたドラマは色々あると思いますが、僕が記憶に残っている料理人ものは「味いちもんめ」が最初です。ドラマは自分に馴染みがない世界(業界)の話もストーリーのなかで理解できるので、ためになる部分もあって、部分記憶しているドラマは結構あります。

ただ、記憶はあいまいなものなので、どうでもいいことや重要じゃないことはいつの間にか薄れたり忘れたりします。その一方で大事な情報やズドーンと心に刺さったものはいつまでも忘れないので不思議です。

大学受験で必死に詰め込んだ大量の知識も、結局ほとんど忘れちゃったな。それは自分の今の生活には必要じゃなかったものだということなんでしょうね。

話は逸れましたが、そんな中居くん扮する伊橋悟のお話を引き合いに最近思ったことを少々綴っていこうかと思います。


「煮浸し」の話にたとえられた下積みの重要性

「味いちもんめ」のストーリー自体はあまり覚えていません。中居くんがしょっちゅう誰かと喧嘩してたような?してなかったような??なんとも曖昧な記憶(苦笑)そんな中でも、いまだに結構鮮明に覚えている場面があります。

ある時京都の料亭から「人が足りないので、うち(京都の料亭)で煮方として働いて欲しい」と誘われた伊橋。煮方になることは板前として出世することでもあるので、修行先をやめてそちらに移ろうと伊橋は決めかけていました。そんな彼をみた、料理長の熊野が伊橋に料理を作って見せる場面があります。

さぞ華やかな料理を作るのかなと思ったら、地味で素朴な料理が出てきました。

熊野が作った料理は、煮たり焼いたり蒸したり・・・といった様々な手間を何度も繰り返すものです。時間のかかる面倒な料理ですが、そこにはなんとも言えない深い味わいがあって、その料理を食べた瞬間に伊橋は改めて熊野の事を尊敬するのでした。そして次に熊野が発したことばは

「煮浸しだけじゃダメなんだぞ」

ということ。煮るだけでは料理に深みはなかなか出ません。そのことばでさらにハッとした伊橋は、焦って煮方になる道を選ばずに、修行していた東京の料亭に残ることを決めたのでした。

※ちなみに『落ち鮎』という「鮎の煮浸し」の話もあるようですね。「味いちもんめ」の中でも有名なお話なので、煮浸しの全てを否定するわけではありません。ここでいう「煮浸し」は「ただ煮ただけ」という意味で解釈してもらえるといいかなと思ってます。


出世のスピードは価値のあることなのか?

ちなみに、料理人の世界では「板前」と呼ばれるまでに、さまざまな段階があるようです。(wikipediaからの情報なので、現状と異なる部分があってもお許しください)

●花板(はないた)- 板場を仕切る料理長。板長(いたちょう)、立板(たていた)
●次板(つぎいた)- 副料理長。二番、脇板(わきいた)
●椀方(わんかた)- 椀(お吸い物など)を作る人。
●煮方(にかた)- 煮物を作る人。
ーーー板前と言えるのはここまでーーー
●焼方(やきかた)- 焼き物(焼き魚)を作る人。
●揚場(あげば)- 揚げ物(天ぷらの事)を作る人。焼方と同程度の位。
●追い回し- 盛り付けなどを担当する雑用係。「ボウズ」(坊主)、「小僧」

明確なヒエラルキーが徹底されていますが、味を守るために大事な修行のステップなのかなと思います。厳しい修行も料理の味を守るための大事な過程の一つ。そう考えると、上下関係も非常に大切な事だと思います。

「急いては事を仕損じる」

ということわざが日本にはありますが、下積みでしか学べないこと、広く様々な世界を見ないと触れられないことが世の中にはたくさなると思います。なので、そういう雑用をおろそかにしてはいけません。自分の知っている世界の中で踏ん反り返ってもいけない。いろんな世界を見るのです。


アメフトに学ぶトレーナーマインド

僕は根っからの陸上畑にいたので、学生の頃は本当に世間知らずだったなと思っています。今でもどれだけ広く世界を見られているのかわかりませんが、干支が3周する年齢にもなれば若い頃とは違った自分になれているだろうなという自覚はあります。

走ることが好きで、どんな時も大なり小なり走ることに関わってきたので、そういった意味では煮浸しなのかな・・・

そんな自問自答も繰り返しながら、今アメフトの現場に読んでもらえることにありがたみを感じます。

命に関わるトラブルが起こる可能性があるスポーツということで、トレーナーに入ると緊張感は一気に上がりますね。こういう気持ちも大事にしながら頑張ろうと思います。

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宮川 浩太@RUNNING CLINIC院長
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