コミティア143で出会ったヤバい作品①
毎日毎日思ってるんです……。面白いマンガが読みてぇなぁ………と。
というわけで、行ってきましたコミティア143!
コミティアを知らないひともいるかもしれないので一応説明しておくと、
コミティアとは「プロ・アマを問わないマンガ描きたちが自主出版した本を発表・販売する展示即売会(公式HPより抜粋)」です。
発表する作品も二次創作ではなく、オリジナル作品に限定しているのが特徴ですね。
私は今回はじめてコミティアに参加したんですが、まぁかなり感動しちゃいました。
というのも、ここで作品を発表している全ての人のなかに物語があって、しかもそれを自分の中にしまっておくんじゃなく、こうして世に出してくれてるなんて、超すごいことだよなぁとしみじみ感じたからです(商業マンガだと、漫画家さんから直接作品を買える機会なんてなかなかないですからね。)。
作品を他人に見られることって、多くの方にとってかなり勇気がいることなんじゃないかと思います。
そういうリスクをとっても、作品を発表してくださっている作家さんがいるのだから、与えてもらった感動は、しっかり言葉にして残しておきたいと思い、作品の感想を書くことにしました(フォロワーさんが少なすぎて拡散力がないことを心苦しく思います……。)。
前置きが長くなりましたが、コミティア143で出会った最高の漫画を勝手に紹介していきます〜!
【コミティアで出会ったヤバい作品その①】
作品名:鳴らせ
作者/サークル名:コヨミギンカ/永遠のモラトリアム
最初に言っておくんですが、この作品、マジでヤバいです……!
どう考えても、もっと多くの人に読まれるべき作品だと思います(と言っても、本作は新刊ではなく、既刊でして、前回のコミティア142でかなり話題になった作品のようですね!)。
ちなみに新刊の「DIG IT」は、私がサークルにお邪魔した際には既に売り切れでした………再販を強く希望します(TT)
さて、「鳴らせ」のあらすじをかなりザックリと紹介すると、学校で浮いた存在のせつな(表紙右)が、同じく浮いた存在の葉子(表紙左)を誘って、バンドを始めるというお話。
「あぁ〜よくある青春バンドものね〜」と思いましたか……?
たしかにこのマンガはめちゃくちゃ熱い青春バンドマンガなんですが、その言葉だけで片付けてしまうには、なんだか忍びないと思うほどの魅力があるんです。
尚、以下のどれかひとつにでも当てはまる人には超おすすめです!
・とにかく魂のこもった熱いマンガが好き!
・音楽が好き!というかバンドやってた!
・読後感の良いマンガが読みたい!
※以下、ネタバレを含みます※
せつなが葉子に「私のために(ギターを)弾いてよ」と言うところから、この作品は始まります。
そんなことをよく知らない人間に言われたものだから、葉子もその瞬間は反論というか拒絶するんです。
でも、せつなの人間的魅力によって、かなり序盤から葉子はせつなのことを大切な存在と認識するようになります。
この心の動きが、ページ数はそんなに割かれていないのに、全然違和感なくスッと入ってくる。
だって、生まれてきちゃいけない存在とすら思っていた自分のことを、期待して必要としてくれる人間がこの世界に現れたんですよ?
誰かに認められたい、必要とされたいという感情は、多くの人が持つ根源的な欲求ですよね。
それだけでもやばいのに、日常でふいに感じた夕日の美しさとかまで、せつなとは共有できる。もうこんなの、大切に思うほかない。
「この作品のパンチラインは?」と聞かれても、なかなか一個には絞れないくらい、胸にくるセリフが多いマンガですが、葉子のせつなへの「群衆の中から あたしを見つけてくれて ありがとう」っていうセリフで、まず泣きました。
というかほぼ毎話ごとに魂の叫びのようなセリフがでてきて、何度も泣いてしまいましたよ……。
心の動きといえば、葉子だけじゃなく、せつなの心にも色んな変化があります。
「人生って楽勝じゃないの?」なんて悪気なく言ってしまえる怖いもの知らず故の想像力の無さや、感情を言語化するのが苦手な面とも向き合って、せつなもまた葉子のことをかけがえのない存在だと強く認識するようになります。
そう言う意味では作中で一番成長した人物はせつなだったかもしれないですね。
話が進むにつれ、 他のバンドメンバーなどのキャラクターが増えていって、どんどん作品の世界がひろがっていきます。
そのキャラクターたちも、これまたとても魅力的!
どのキャラクターの苦悩も理解ができて、誰のことも嫌いにならないですむマンガでした(個人的にはヨモギのバックボーンも知りたいところでした!この人も過去に色々あったんだろうなぁと想像が掻き立てられるキャラですよね。)。
それにキャラクターの書き分けもすごい!
メインキャラの葉子はバリバリの三白眼で髪の毛もモジャモジャだし、せつなはぽっちゃりでお世辞にも綺麗な造形の顔ではないんですが(どんどん可愛い作画になりますが!)、ステージに立つ彼女たちはほんとにかっこいい。「…スターが何かはわかんないけどさ、美人かどうかの問題じゃ無い事はわかった」ってセリフが読者の気持ちを代弁してくれているようです。
余談ですが、実在するバンド名や曲名、「27クラブ」といった固有名詞が散りばめられてるのも、現実とリンクしていて楽しいし、作者さんが音楽好きであることが伝わってきて気持ちよかったです(ちなみにせつなたちのバンドのイメージは「Mars Volta」だそうですよ!)。
ラストあたりの、せつなのお母さんが27歳ではなく28歳で死んでいたことがわかるシーンも、意味深くてグッときました。
以上、長々と感想を書き連ねましたが、作品を布教するというよりは、単に私の好きポイントを羅列した内容になってしまいましたね・・・・・・もどかしい。
ですが、本作は、ほんとのほんとに傑作なんで、機会がある方は是非読んでみてほしいです!
他にもヤバい作品との出会いが沢山あったので、それは後日改めてご紹介したいと思います〜!
コミティアって最高ですね!!!!