🍇登美の丘ワイナリー | サントリーフロムファーム・~後編~
ここは「世界と肩を並べる『ジャパニーズワイン』を実現する」という目標を掲げ、洗練されたワイン造りを追求している登美の丘ワイナリー。
園地を後にして私たちはワインショップに移動し
テイスティングをさせていただきました。
ショップの奥に併設されている
テイスティングルーム
一杯から気軽に楽しめるのも魅力的。
津軽ソーヴィニヨン・ブラン2021
私の地元「津軽ソーヴィニヨン・ブラン」テロワールシリーズのスペシャルキュベ。
二つの園地のアッサンブラージュにおいて、太田さんのブドウは甘みを感じます。桃やりんごを例に出すならば、熟した印象。
木村登さんは、ソーヴィニヨン・ブランの特徴であるグリーンな香りと、カシスの芽が主役です。
どちらの特徴も引き立てつつ、津軽の個性である酸味の立ち方が美しい。
清らかでありまろやか、熟成し華やかな印象を持ちつつ、複雑なワインです。
まるで桃?
津軽ソーヴィニヨン・ブランは2021年から毎年飲んできましたが、このキュベは際立った風味を持っています。津軽ソーヴィニヨン・ブランを世界的な名醸地の産地として確立する準備は既に整っています。
登美の丘 甲州 2021
「デキャンター・ワールド・ワイン・アワード2023」プラチナ賞受賞。
甲州はグリ系のぶどうですが、登美の丘の自園では完熟を待ち赤みを帯びるまで育てられ、登美を追求したこの甲州は、和柑橘の香り、蜜のような甘さ、そしてフレッシュで穏やかコクがあり、多層的で複雑な味わいが、甲州の一般的なライトなイメージを覆します。
醸造チームには、醸造技師長を含む約20人がいます。
様々な経験を持つ人間がいますが、専門分野の方に全てを任せるのではなく、全員で協力して物事を考えていきます。
収穫時期には、みんなで畑に出掛け、
「ここはもう少し手を加えた方がいいね」「いつくらいに収穫しようか?」と話し合います。と白石さんは教えてくれました。
登美 赤 2019
登美の丘ワイナリーのフラッグシップワイン。
フラッグシップである「登美 赤」は40年の歴史があり、赤ワインは自然環境の変化に対応して品種構成をシフトしている。
10年前はカベルネ・ソーヴィニョンとメルローで80%を占めていましたが、2019年ヴィンテージでは気候変動による暑さにも比較的強いプティ・ヴェルドが70%近くを占めています。
目指すのは「プティ・ヴェルドで世界最高品質の赤ワインを造る」
ブラックベリー、プラムの香り、スパイスや黒糖のようなニュアンス、
豊かな甘さにプティ・ヴェルドのコクとタンニンが感じられる。
カベルネやメルローが複雑性を持たせ余韻がどこまでも長く続く。
あらゆる国の食べ物が並ぶ日本の食卓。お料理は和牛のステーキにわさびを添えてお祝い事や特別な日に飲みたい。
プティ・ヴェルドでこんなに複雑で美味しいんだ。
日本ワインの実力に驚き、興奮。
そして、ほろ酔いでいい気分。感情が忙しい私。
サントリーが追求するワインは「球体」のようなものです。
酸味、重さ、渋さ、果実味が一つに突出することなく、多層的な香りと味わいが特徴です。
これは、サントリーの醸造チームが協力して物事を考えるプロセスに似ていると感じました。
ブドウもワインも、造るのは人間だということかもしれません。
ワインは人々を結びつけ、食事や音楽をさらに楽しむ手助けをし、心を満たしてくれます。気がつけば、ワインは私にとって欠かせない存在になりました。なぜワインをこれほど愛しているのか、そんな自分を振り返る場所でした。
ヨーロッパに比べると日本のワインの歴史は浅いものの、私が生まれる前から続く、先人たちによって築かれたワイン文化が日本に存在します。
登美の丘ワイナリーは、常に日本ワインのトップランナーとして走り続けています。
Photo Shinobu Osawa
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