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視力の左右差で起こるエラーにアプローチできる簡単な方法

視力には左右差があります。眼鏡やコンタクトレンズを着用している人は、視力検査で「-0.25D」「-5.0D」といった数字の評価を見たことがあると思います。Dとは「ディオプター(ディオプトリー)」という意味で、本などの文字を「どのくらいの距離まで近づくとハッキリ見えるか」を意味します。1mで見えるなら-1D、10cmまで近づけないと見えないなら-10Dといった感じです。

そして、視力の左右差の許容範囲というのは、この値で2D未満だとされています。2D以上(-1Dと-3Dなど)になると、見え方が不快になったり、目や身体に不調が出てしまうとされているのです。なぜ、視力差が不調につながるのか。そこには、固視抑制(visual suppression:VS)と呼ばれる現象が関係していると考えられます。

固視抑制というのは、例えば右眼の視力が弱く、左眼の視力が正常という場合、脳は視力の高い左眼からの情報のみを選択し、右眼からの情報を無視してしまう現象のことです。固視抑制が起こると、両眼からの情報で空間を認識したり、遠近感の把握、文字を読むことが苦手になってしまいます。

視覚情報は、感覚情報の中継地点である、視床の外側膝状体(中枢神経系の網膜から情報を受け取り、視覚情報の処理を行う。 網膜から視神経、視交叉、視索を通って直接情報を受け取る)を経由して後頭葉で知覚・処理されます。

視力の左右差が脳にもたらす影響

本を読んでいて右眼と左眼を交互に閉じて、片目で文字を眺めてみてください。人によっては、「左眼はよく見えるけれど右眼が少しぼやける」と感じるかもしれませんし、逆のパターンもあるかもしれません。もちろん、両眼に視力差がないということもあるでしょう。

仮に右眼がぼやける場合、当然右眼から入ってくる文字情報は判別が難しいので、知覚・処理に多大な労力が必要になります。実際、ぼやけて見える方の眼だけで本を読んでくださいと言われたら、誰もがイヤだな、大変だと思うことでしょう。眼鏡やコンタクトレンズを外して文字を読んでくださいというのも、同じ理由で非常に大変だと思います。

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