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肋骨にまつわる脊柱の可動域制限を改善する方法|ポイントは「皮膚」への介入

今回フォーカスしたいのは、普段のトレーニング指導などであまりフォーカスが当たらない「肋骨」へのアプローチです。

例えば、反り腰でリブフレアで肋骨が前方に出ているタイプの人は、肋骨の後方回旋が過剰になってしまってるケースがよく見られます。

リブフレアとは肋骨が外側に広がり、下部肋骨が前方に突き出ている状態を指します。一般に、肋骨下角が90度よりも開いている状態がリブフレアであり、本来肋骨は描くべきカーブが乱れていることを示します。リブフレアは見た目への悪影響に加え、周辺の筋群の負担が増すことで腰痛や肩こりを引き起こすほか、横隔膜の動きが阻害されて呼吸効率が悪くなる(呼吸が浅くなる)こともありえます。

また、胸骨と脊椎は肋骨を介してつながっているため、肋骨のポジションは脊椎の回旋運動にも影響します。例えば脊椎を右回旋するとき、左側の肋骨は前方回旋および前突して右側の肋骨は後方回旋および後退します。

この動作において、十分に肋骨の回旋可動域を発揮できなければ、それが原因として(借りに脊椎そのものに問題がなくても)脊柱をうまく動かせないということになるわけです。

このように、肋骨は私たちのパフォーマンスに大きく影響します。肋骨の可動域を改善するアプローチを知っておくと、普段のトレーニング効率や健康増進にも便利です。今回は、皮膚を介して肋骨にアプローチする方法をいくつか解説したいと思います。

皮膚による可動域の改善・制限のメカニズム

アプローチを紹介する前に、ちょっとした骨の動きについて解説したいと思います。

肩関節外転の動作を思い浮かべてください。外転動作に伴い、上腕骨頭は下方へとスライドしていきます。腕を上げれば上げるほど、上腕骨頭が関節面に対して上がってくると方をいうことはありません。現状の肩の高さを維持したまま腕を上げるとなると、上腕骨頭は逆の動き(下へ下がる動き)が必要となるからです。

この動きを皮膚の観点で促進・阻害したい場合は、どのような介入が必要となるでしょうか?

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