BUN(血中尿素窒素)で学ぶ腎臓の健康と食事に必要なスタンス
皆さんは健康診断などで「BUN(血中尿素窒素)」という値を見たことがありますか?「尿素窒素」「血清尿素窒素」など様々な呼称があるBUNは、腎臓の健康度合いを知るための指標として有名です。
実は上級トレーニーの方で、「BUNの数値が高め」と診断される人が結構多いんです。今回はそんなBUNという指標を説明しつつ、腎臓の健康を守るために必要なことを学びましょう。
BUNが腎臓の健康度合いの指標となる理由
日本臨床検査標準協議会が定めている、BUNの基準範囲は「8~22mg/dL」です。そして、BUNというのは名前の通り「血中に含まれる尿素」の値です。この数値が高い人は、得てして「腎臓機能が低下している」と言われています。
まずは、ちょっとだけ化学の勉強をしましょう。尿素は、たんぱく質が体内で分解されたあとの、最終産物です。たんぱく質が分解される過程で、アンモニアが生成されます。アンモニアは粘膜刺激や呼吸刺激、腐食性がある物質で、人体にも悪影響です。
肝臓でアンモニアから合成されると、アンモニアは血液を介して腎臓へと運ばれます。そして、糸球体でろ過され尿中で排泄されることで、人体への影響を最小限に抑えられているのです。この尿素を化学式で表記すると、「CH₄N₂O」(Cは炭素、Hは水素、Nは窒素、Oは酸素です)となります。実際の構造は、下の図のような感じです。
尿素に含まれている窒素の量を測定しているのが、今回のテーマであるBUNというわけです。BUNが高いということは、それだけ血中に尿素が多いということ。そのため、尿素が多い=腎臓機能が低下しているという判断になるわけです。
BUNが高い人に見られる疾患
BUNが基準値よりも高い人は、次のような疾患リスクが高いと考えられます。
急性腎炎
慢性腎炎
腎不全
腎盂腎炎
腎がん
腎硬化症
心不全
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