一次運動野~脳の運動関連領域~
脳の司令塔でもある前頭葉は「前頭連合野(前頭前野)」「高次運動野」「一次運動野」の3種類の分けられる。そのうち一次運動野は、中心前回に位置していて、随意運動に関わっている。
※前頭連合野
記憶や学習と関わりが深い部位で、ワーキングメモリーや行動の切り替え、プランニング等の認知・実行に関する機能を持つ。
(1)構造と特徴
一次運動野は運動の指示を脳幹、脊髄へと出力する重要な拠点だ。
一次運動野は、前頭葉と頭頂葉を分ける中心溝の前頭葉側に位置する。そのため「中心前回」と呼ばれることもある(中心溝の頭頂葉側にある一次体性感覚野は「中心後回」とも呼ばれる)。一次運動野は手足等の感覚を司り、運動中枢と感覚中枢が隣り合う構造になっているのが特徴だ。
一次運動野は大脳皮質(表面)に存在し、頭頂部→耳へと向かうような形になっている。頭頂部分は足や体幹を司り、耳側へ行くにつれ、肩、手、、顔面を管轄する部分に分けられる。
こうした構造上の特徴から、一次運動野は頭頂部に近い部分で障害が起こると、足や体幹に運動麻痺が生じやすい。逆に耳側で障害が生じると、手や顔面に運動麻痺が生じやすい。
(2)皮質脊髄路
一次運動野から始まる神経線維は、「皮質脊髄路」として脊髄から各筋肉へ信号が送られる。皮質脊髄路は錐体を通るため、「錐体路」とも呼ばれる。
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