空間的加重から考える効率的な勉強とパフォーマンスアップの関係。脳のネットワークへの理解を深めよう
脳に関する勉強では、たびたび「シナプス」という言葉が登場します。シナプスはある神経細胞から別の神経細胞との接点であり、シナプスを介して神経細胞同士で情報伝達が行われます。
そして、シナプスに入る情報のことをシナプス入力といい、主に興奮・抑制という2つの特性を持つ情報がシナプス入力には存在するのです(それぞれの違いはここでは省略します)
今回のテーマである「空間的加重」というのは、シナプス入力のパターンを表した言葉です。これは、シナプスに2つ以上の情報が同時に入力された際に発生します。細かな内容は省きますが、複数の刺激が同時に入力されることで別々に入力される時よりも強い反応がシナプスで発生するのです。
この現象を応用することで、脳に多くの刺激を与えて高い勉強効果やパフォーマンスアップ効果を生み出そう!という話をしたいと思います。
英語が苦手な人の共通点
いきなり話が変わりますが、皆さんは英語が好きですか?現在は早ければ小学校から英語教育が始まり、そのまま中学高校大学と、10数年に渡り日本人は英語を勉強します。にも関わらず、英語を話せない、英会話を聞き取れない人は多いです。
日本の英語教育の是非はさておき、なぜ机に座って何時間も勉強しているのに、英語が上達しないのかという話が、今回の空間的加重に大きく関係します。
英語が上手な人は、学校の勉強以外で外国人と積極的に話していたり、外国に行ったりした経験を持っていることが多いです。この人たちはさまざまな国籍・年齢の人と、時にはボディランゲージも使って一生懸命話すことで、聴覚・視覚や(ボディランゲージによる)運動といった、さまざまな行動・情報入力が行われています。
単純に、机に座って暗記を中心とした勉強を行うよりも、はるかに多くの刺激が同時に発生した結果、英語が上達しやすくなっているわけです。とはいえ、いきなり外国人と話したり海外に行ったりするのはハードルが高い。そんな人は、次に紹介するエクササイズを試してみてください。
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運動指導者の方へ向けて「脳」について理解し、パフォーマンスを高め機能改善などを行えるように学べるコンテンツです。
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