腸内環境を悪化させる食品添加物
私達の腸内には、約3万種類、100〜1,000兆個の細菌が生息し、その重量は1.5kg〜2kgになると言われている。常在細菌である腸内細菌は、日々の生活習慣、食事などで日和見菌が悪玉・善玉どちらかに偏り、腸内環境のバランスを変化させる。
1)腸内細菌の働き
1.病原体の侵入予防と排除
2.食物繊維を消化し、短鎖脂肪酸を産生する
3.ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンK、葉酸、パントテン酸、ビオチンなどビタミン類の生成
4.ドーパミンやセロトニンの合成
5.免疫力の保全(腸内細菌、腸粘膜細胞で免疫力の約70%を作り出すと言われている)
2)腸内環境を悪化させる添加物
なかでも次の5種類の添加物は、腸内環境を悪化させる危険性が高いため注意が必要である。
(1)乳化剤
アイスクリームや多くの食品に乳化剤として添加されているカルボキシルメチルロースとポリソルベート80は、腸内細菌叢を変化させ、慢性的な炎症を誘発。代謝異常を引き起こす危険がある。これらを与えたマウスは、乳化剤を与えないマウスと比較して腸の粘膜の透過性が高まり、炎症が進行したという研究がある。
これ以外に、ポリソルベート80摂取でM細胞を通過する大腸菌が増加したという報告もある。20世紀半ば以降で、炎症性腸疾患患者数が増えている要因の1つが、多くの加工食品で使用されている乳化剤だとされている。
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