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高次運動野~脳の運動関連領域~

脳の司令塔でもある前頭葉は「前頭連合野(前頭前野)」「高次運動野」「一次運動野」の3種類の分けられる。高次運動野というのは、前回のnoteで紹介した一次運動野以外に該当する運動野のことだ。高次運動野は複雑な運動を行うときや、運動をイメージするときに活動し、一連の運動を円滑に進める役割を持つ。

※前頭連合野
記憶や学習と関わりが深い部位で、ワーキングメモリーや行動の切り替え、プランニング等の認知・実行に関する機能を持つ。

(1)高次運動野の働き

前回説明した一次運動野は、運動の発現や制御で中心的な役割を果たす。私達がどんな運動を行うかを決定するのは一次運動野の役目だが、その運動をどのように行うかを判断するうえで重要となるのが、高次運動野により処理され伝達される情報だ(一次運動野は、視床と高次運動野から直接的に情報を受け取っている)。そして、高次運動野は主に運動前野、補足運動野、前補足運動野、帯状皮質運動野の4部位にて構成されている。

運動野

1)運動前野

運動前野は、一次運動野の前方に位置する。運動前野は大きく3種類の機能を果たしていると言われている。

①運動や動作の誘導
②感覚情報と動作の連合
③動作プランの形成

このうち、①と②は頭頂葉から送り込まれた感覚情報を受け取り、それを処理して動作や制御へと役立てられることとなる。③は前頭前野からの動作プランをより具体化し、一次運動野へと情報を送るという動作を行っているという。

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