肩甲骨の解剖学(構造、機能、症状)
肩甲骨(Scapula)は亀の甲羅のように、背中についているイメージから名付けられました。
位置
肩甲骨の上角の水平線上には第2肋骨、肩甲棘基部の水平線上には第3胸椎棘突起、下角の水平線上には第7胸椎棘突起があります。
両肩峰は前額面上の後面から観察すると、※Th1を通る水平軸より僅かに下の位置にあります。肩甲骨は脊柱レベルにおいてTh2~7の間にあり、前額面上で下角が上角に対して約30°開いています。
※Th=胸椎の略
構造
肩甲骨には、2面・3縁・3窩・4角とさまざまな部位があり、そこに18もの筋肉が付着します。
1)肩甲骨表面
肩甲骨には、肋骨面と背側面の2つの面があります。
(1)肋骨面
前面が凹面になっているので、肩甲下窩とも呼ばれます。肩甲下窩の内側3分の2には、肩甲下筋腱が起始します。肩甲下窩の外側3分の1は滑らかで、肩甲下筋の線維に覆われています。
(2)背側面
背側面は、上下方向にアーチを形成しているのが特徴です。肩甲棘によって2つに不等分され、肩甲棘より上方を棘上窩、下方を棘下窩と呼びます。
・棘上窩
上方のより狭い部分で、滑らかな凹面をなしています。脊椎側が上腕骨側よりも広く、内側3分の2は棘上筋の起始部になっています。
・ 棘下窩
棘上窩よりもかなり広いです。上部では脊椎側の縁にかけて、かすかな凹面をなしています。中央部では凸面となり、腋窩に近い縁では深い溝が上部から下部に向かって走行します。
棘下窩の内側3分の2は棘下筋の起始部であり、外側3分の1は棘下筋に覆われています。
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