セリアック病とクローン病って何?病気の特徴と食事療法を知ろう
前回の記事では、小麦の摂取で腸内に起こる有名な病気として、リーキーガット症候群について紹介しました。
実際に、小麦が原因となる疾病で、トレーナーとして目にすることが多いのはこのリーキーガット症候群でしょう。今回は、リーキーガット症候群と合わせて紹介されることが多い二つの病気、「クローン病」「セリアック病」について紹介したいと思います。それぞれの食事療法も解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
(1)クローン病
クローン病は、1932年にニューヨークの医師によって報告された病気です。実はこのクローン病、ここ数十年間で世界的に患者数が増えた病気でも知られています。日本でも、1976年に128人だった患者数が、2016年には約4万人まで増えました。
特に増加傾向が強いのは欧米で、アメリカでは人口10万人あたりの患者数が約200人と言われています。日本は10万人あたり約27人なので約1/9ですが、それでもこの患者数の増加は気になりますね。
指定難病であるクローン病は、10代~20代と比較的若い人に見られやすい症状です。男性では20歳~24歳、女子では15歳~19歳に多く見られると言われています。男女比は2:1で、男性に多いのが特徴です。
1)クローン病は生活水準が高い人に多い?
クローン病は、今も正確な原因が判明していません。一説としては、免疫システムが正常機能しないことが原因と考えられています。そのなかで興味深いのが、クローン病は生活水準が高い人ほど、発症リスクが高いと言われている点です。
実際に、クローン病の発症数が多い欧米を見てみると、動物性脂肪や動物性たんぱく質の摂取量が日本より多めです。また、これらの諸外国は日本と異なり、小麦を囲うした主食やお菓子類を食べる傾向も強いと言えるでしょう(発症要因には人種なども条件なので、一概に食事がすべての原因とは限りません)
ここから先は
Nutrition Special Magazine
栄養学の知識を様々な分野から解説していきます
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?