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スポーツに励む女性必見。競技力を高めるためのHIITの可能性

女性は男性と比べて、全世代的にスポーツを楽しんでいる割合が低いとされています。成人して以降、サッカーやテニス、バスケなど球技を楽しんでいる女性は非常に少ないのではないでしょうか(これは男性にも同じことが言えそうです)。

一方で、ウォーキング、ジョギング、ヨガ、ピラティスなどを含む運動を実施している人は、2020年→2024年にかけて徐々に増えつつあるという数字もあります。

さて、そんなスポーツを楽しむ女性にとって、競技力の向上=パフォーマンスアップは興味深いテーマだと思います。従来の研究は、男性選手を対象としており、女性に関する研究はあまり多くありませんでした。

今回紹介するのは、2024年に行われたサッカー選手を対象とした調査に関する研究です。自分自身の競技力を高めたい!あるいはトレーナーとして、スポーツに取り組む女性の競技力向上に貢献したいという人は、ぜひ読んでみてください。

SSGとHIITのどちら方が効果が高い?

この研究は、8週間にわたって52人の若手サッカー選手(男性27名、女性25名)を対象に行われました。参加者はスモールサイドゲーム(SSG)グループと高強度インターバルトレーニング(HIIT)グループに分けられ、週2回のトレーニングを実施しました。

SSGは、3対3や6対6などの小規模なゲーム形式で行われ、実際の試合に近い状況下で競技に関する技術と戦術的理解を同時に向上させることを目的としています。一方、HIITは短い運動時間と短い休憩時間を繰り返すトレーニングで、今回は全力の85-95%の強度で行うランニングベースのトレーニングが実施されました。

研究では、以下の4つの測定項目を用いて選手のパフォーマンスを評価しましています。

  1. カウンタームーブメントジャンプ(CMJ):爆発的な脚力を測定

  2. 10mスプリント:短距離加速能力を評価

  3. 方向変換能力(COD):敏捷性とスピードを組み合わせた能力を測定

  4. 30-15インターミッテントフィットネステスト(VIFT):間欠的な高強度運動能力を評価

これらの項目は、サッカーのパフォーマンスに直接関連する重要な身体能力を網羅しており、トレーニング効果を多角的に分析することができます。

このうち、耳慣れないのはVIFTだと思います。VIFTは「間欠的な高強度運動能力を評価するためのテスト」のこと。もっと分かりやすく言うと「どれだけ速く、長く、繰り返し走れるか」を測るテストです。

テストの流れはこんな感じで行われます(あくまで一例です)。

  1. 40メートルの距離を往復して走ります。

  2. 30秒間走って、15秒休みます。これを繰り返します。

  3. 最初はゆっくり走り始めて、だんだん速くなっていきます。

  4. 決められた時間内に目標地点まで走れなくなったら終了です。

このテストで出た最高速度は「VIFTスコア〇〇」と表現されます。例えばVIFTスコアが18の選手は、時速18キロのペースで走り続けられたということです。

このテストはサッカーの試合と似た動きをするので、実際の試合で必要な体力がわかります。また、選手の成長を数字で見ることができます。例えば、「3ヶ月前はVIFT16だったけど、今は18になった!」といった具合です。トレーニングの強度を決める場合もVIFTを用います。(例:VIFTの90%の速さで走る など)

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