トランス脂肪酸(構造、健康問題、規制)
トランス脂肪酸(Trans fat、trans-unsaturated fatty acids、TFA)は、トランス型の二重結合を構造に持つ不飽和脂肪酸です。トランス型不飽和脂肪酸、トランス酸とも言われます。
構造(多く含む食品など)
反芻動物の肉や乳などにも含まれますが、多くは植物油を加工する工程で、人工的に水素を添加して硬化した、部分硬化油を製造する過程で発生します。ショートニング、マーガリン、ファットスプレッドなどに多く含まれます。
出典:内閣府食品安全委員会「新開発食品評価書 食品に含まれるトランス脂肪酸」2012年3月
植物油や魚油などから得られる天然の不飽和脂肪酸は、ほとんどすべての二重結合がシス型であり、折れ曲がった構造です。
酸化による劣化が起こりやすい特徴を持つ不飽和脂肪酸から、酸化による劣化がしにくい飽和脂肪酸を製造するため、人工的に水素を添加(水添)。すると、飽和脂肪酸にならなかった一部の不飽和脂肪酸のシス型結合が、トランス型に変化し、直線状の構造を持ちます。
このような不飽和脂肪酸を、トランス脂肪酸と言うわけです。
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