目にまつわる2つの運動で、関節の屈曲可動域や動作時の痛みを軽減するアプローチ。具体的なメカニズムも紹介
関節の屈曲・伸展動作において、特に屈曲動作で次のような傾向はありますか?
歩いている時の腕の振りが少ない(ない)
股関節の屈曲角度が少ない、あるいは股関節を曲げると痛い
肩関節や肘関節の屈曲角度が少ない、あるいは曲げると痛い
こうした傾向が確認できた人の場合、眼球運動を介した脳の活性化が、屈曲可動域の改善や痛みの軽減に役立つかもしれません。今回は、そんな眼球運動にまつわるアプローチを紹介したいと思います。
なお、アプローチを始める前に、関節動作時の痛みなどをチェックする際には、「関節の屈曲状態を維持して、痛みが起こるかどうか」もチェックしてみてください。
肩関節の場合であれば、前方に腕を伸ばした状態になり、その状態をどれだけ維持できるか、あるいは痛みが発生しないかを確かめるという感じです。股関節の場合は、膝を上げた状態をキープし続けられるか確かめましょう(脚をまっすぐ伸ばしたままで行うと別のエクササイズになるので、膝関節も曲げて行ってみましょう)
動作がしづらい、腕を上げるのに余分な力が必要、上げ続けていられないなどの傾向があるのか。左右差はあるかなどを、ここでは確認しておきます。
「皮質脊髄路」と「赤核脊髄路」
そもそも、こうした関節動作は体内でどう処理されているのでしょうか。まず、人間の随意運動の制御をつかさどるのは、大脳皮質の運動野です。この指令を伝える神経細胞は、皮質脊髄路(臨床の現場では「錐体路」と呼ばれます)を介して中脳の大脳脚、延髄の錐体を通過し、対側の脊髄へと伸びていきます。
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