末梢神経で首の凝り感、腹筋群の効き感を改善するアプローチ
身体のセンサーである受容器には、日々「熱い」「冷たい」「柔らかい」「硬い」などさまざまな情報が入力されています。そして、センサーで入力された情報は、身体中に張り巡らされた電線である末梢神経をたどり、脊髄、小脳、脳幹、視床、島、皮質と情報が統合・整理されて、「こう動こう」「こういう表情を作ろう」「こういう反応をしよう」という行動へとアウトプットされます。
今回は、こうした末梢神経を介した身体、特に体幹部へのアプローチ方法を紹介していきます。
末梢神経のおさらい
末梢神経は、31対の脊髄神経、12の脳神経、自律神経、複数の神経節、感覚受容器に関わっています。末梢神経の重要な役割は、受容器と中枢神経系を機能的に連結させて、脳に「身体のどこからどんな情報が入力されたか」を、正しく伝えることです。末梢神経系からの入力がないと、脳は情報を得られないので正しく反応できません。
末梢神経がマヒしている部位は、情報伝達にエラーが生じるのでうまく使えません。末梢神経に乱れがある部位は、思うようにコントロールができません。末梢神経は、主に「外受容感覚」と「内受容感覚」という求心性の経路を用いて、脳に情報を送っています。
外受容感覚
身体外からの情報を伝える経路です。一般的に「五感」と呼ばれる情報を伝えている経路とも言えます。身体外の情報というのは、触覚、圧、侵害、温度、振動、光、音、匂い、味などを指します。
内受容感覚
内臓、血管、筋膜系、運動器系の全ての感覚を、脳に送る際の経路です。生化学的変化(疲れてきたという感覚)、内臓の感覚(腹部の張りなど)、筋肉が伸ばされた感覚、呼吸の感覚、体温、筋や筋膜の位置やストレッチをかけられた時の状況などを、脳へと伝えていきます。
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Brain Special Magazine
運動指導者の方へ向けて「脳」について理解し、パフォーマンスを高め機能改善などを行えるように学べるコンテンツです。
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