漫画原作「Wマスター(ダブルマスター)」[ジャンププラス原作大賞読切部門応募作品]
①戦闘
採石場で、自衛官が八九式小銃で特殊能力者の戦闘員(戦闘員に略)達と戦闘中。
迷彩服を着用FN P90(P90に略)をメイン、ベレッタナノ(拳銃に略) がバックバックアップの戦闘員。戦闘員達もP90で応戦。
N 「世界の命運を懸けた戦争があった」
小銃を撃つ自衛官。
②回想・特殊能力者
回想。手からビームを放つ者、念動力で大きな岩を動かす者、高速で走る者等が影で登場。
N 「超常的な力、常人を凌駕した能力を持った特殊能力者達。彼等が、世界の覇権を握るべく世界各国の人々に宣戦布告した」
③戦闘
自衛官と戦闘員が戦闘中。
N 「特殊能力者と世界各国の人々との戦いは、長きに及んだ」
自衛官の横を影が高速で通過。
N 「だが、特殊能力者達に立塞がる者達がいた」
影が、戦闘員に高速で接近、二本の刀で瞬時に高速て斬り倒して行く。
N 「世界各国の人々に協力し、圧倒的な力で特殊能力者と戦う者。人々は、彼等を『Wマスター』と呼んだ」
倒れた戦闘員達の中心に立つ二刀流のロングのツーブロックの髪型の青年。
④回想・武器
回想。刀、剣、槍、弓矢、斧等の武器が登場。
N 「Wマスター。卓越した身体能力と携帯した武器による圧倒的な戦闘力を持った者達の総称である」
➄戦闘
戦闘員が、P90を撃つ。それに、気付く青年。
銃弾を高速で回避する青年。
高速で、刀で戦闘員を斬り倒す。全滅する戦闘員達。
N 「Wマスターの登場により、戦争は世界各国の勝利に終わった」
自衛官達が青年に駆け寄る。
⑥都立JUMP高等学校・校門と校舎
校門と校舎。
N 「その戦争から、数年の世界」
「都立JUMP高等学校」と言うプレート。
N 「此処は、研究学園都市JUMP市の都立JUMP高等学校」
⑦2年E組・入口ドア
ドア前。「2年E組」と書かれた表札。
⑧2年E組・教室
教室。
教室の前の席で、寝ている塚原渉(つかはらわたる)。サマーマッシュの髪型で大人しそう見えて、学生服を着ている塚原渉。
渉 「師匠なら、どうします~」
寝言を言う。
声 「渉、起きろ!」
渉 「ん?」
起きる渉。机の前に、友人の楠本慧(くすもとあきら)がいる。アップバングショートの髪型で、学生服を着ている楠本慧。
渉 「アッ、慧」
圭吾「オイ! もう直ぐ、授業だぞ!」
渉に、接近して言う。
渉 「慧、物理で分からない所あるんだ」
圭吾「渉! 次の授業は、世界史だろうが!」
突っ込む。
同級生1「よく楠本は、塚原の友達でいられるな」
同級生2「嗚呼」
渉と慧のやり取りを見ている同級生達。
⑨街
街。ビルや行き交う車、笑顔で歩行する人々が居る。
街の中心部で爆発が発生。
市民1「爆発だ!」
スーツ姿の市民が叫ぶ。
市民2「何が起こった!?」
作業着を着た市民が周囲を見渡す。
其処へ、戦闘員達が現れて、P90を撃つ。
市民3「特殊能力者の襲撃だ!」
ハンチング帽の市民が叫ぶ。
P90を撃つ戦闘員達。
市民達「逃げろ! 急げ!」
戦闘員から、逃走する市民達。
戦闘員1「エギュ様、作戦の第一段階終了しました」
後方の人物に話しかける。
エギュ「よし! 前進を続けろ、目的の研究所まで、もう直ぐだ!」
特殊能力者の指揮官エギュが登場。目付きが鋭く、逆立つ髪形で、レザージャケットを着用しているエギュ。
エギュ「今こそ、世界に我々特殊能力者の恐ろしさを見せてくれる!」
エギュの顔のアップ。
エギュと戦闘員達炎を背景に前進。
⑩2年E組・教室
教室。生徒達が談笑中。
同級生3「あれ、何か変な音しなかった?」
ショートカットの女子高生が言う。
同級生4「したした」
頷く黒髪ロングの女子高生。
渉 「!?」
何かに気付く。
慧「渉、どうした?」
ドアが開き、ジャージを着た教師が訪室。
教師「皆、聞いてくれ! 特殊能力者達が、JUMP市の市街地を襲撃している!」
教室の前で説明する。
慧 「何だって!」
渉 「やっぱり」
表情が変わり、真剣な表情になる。
教師「今、都市防衛隊セイバーが、特殊能力者達の対処に当たっているから、生徒の皆は学校で待機してくれ!」
渉 「何時、連中に襲撃されても、おかしくない。此処は、研究学園都市だ」
小声で呟く。
慧 「渉、何か言ったか」
横で、渉に言う。
渉 「否! 何でもない!」
慌てる渉。
⑪道路(大通り)
大通り。車の残骸が存在。
警官と戦闘員達が戦闘中。
警官1「この野郎!」
警官が拳銃を撃つ。
警官2「セイバー隊が来るまで、持ち堪えろ!」
パトカーのドアを盾に拳銃を撃つ。
タイヤのアップの画。
警官3「アッ!?」
拳銃を持って言う。
特型警備車(PV―2型)登場。警備車から、都市防衛隊セイバーの隊員が降りて来る。
タクティカルスーツとブーツ、ボディーアーマーを装備、SIGMPX(SMGに略)をメインに携帯し、GlockG43(拳銃に略)がバックアップの隊員達。
隊長の駒井唯華(こまいゆいか)が登場。キャップを被り、まとめ髪の唯華。警官達に駆け寄る。
唯華「都市防衛隊セイバー隊長駒井唯華です。此処からは、私達が引き受けます」
警官1「有難うございます!」
一礼。
唯華「この先には、サイバネティクス研究所を始め、国の重要研究所がある。セイバー隊の隊員は、何としても、この場を防衛して」
SMGを構えて言う。
隊員達「了解!」
⑫2年E組・教室
教室。生徒達が待機中。
同級生1「俺達どうなるんだ?」
同級生2「今日、俺達帰れるのか」
同級生達が会話。
慧 「どうなるんだ・・・」
会話を聞いて、不安になる。
慧 「なあ、わた。アレ、渉がいない! 」
居た筈の渉がいなくなっている。
⑬通学路
『通学路』と書かれた路。通学路を走る渉。
渉 「何時か来るかと思ったけど、本当に特殊能力者達が、この町に来た!」
額に汗をかいて走る渉。
渉 「師匠はいないけど、僕がやるしかない!」
走る渉の横顔。
⑭和風な家
隣に蔵がある家。標識に、『塚原』と書いてある。
⑮蔵・正面
蔵。蔵の前に、渉が立っている。
⑯蔵・内部
内部。鎧、兜、槍、巻物等がある。内部に渉がいる。
渉 「あった!」
蔵の奥の中心に、二本の刀が立て掛けてある。
渉 「師匠! 使わせて頂きます!」
刀を手にし、真剣な表情の渉。
⑰道路(大通り)
セイバー隊と戦闘員達が戦闘中。
隊員1「ウワッ!」
隊員が被弾。
隊員2「駒井隊長! セイバー隊押されています!」
ワゴン車を盾に、SMGを撃つ唯華に近付く。
唯華「分かってる。何とか、研究所の所員が無事脱出する迄持ち堪えて」
冷静にSMGを撃つ。
N 「この戦力では、特殊能力者達に勝てない」
額に汗をかく。
P90を撃つ戦闘員達。其処へ、影が高速で接近。
戦闘員2「!?」
影から刀が出現。刀を持った影が、高速で数名の戦闘員達を斬り倒す。
唯華「何が起こったの? 」
驚く唯華と隊員達。
エギュ「来たか」
ニヤリと笑う。
声 「僕が来たからには、お前達特殊能力者達のスキにはさせない」
スニーカーのアップ。
渉 「何故なら、僕がWマスターだからだ!」
刀を持った渉が登場。帯刀ベルトを装着し、ベルトに、もう一本刀を携帯。
唯華「Wマスター!」
驚く。
唯華「特殊能力者との戦争の際、圧倒的な戦闘力で世界各国に協力して、戦争終結後に忽然と姿を消した戦闘集団のエキスパート」
八相の構えの渉。
唯華「まさか、こんな場所で会えるとは」
唯華の横顔。
エギュ「殺れ」
脇にいた戦闘員達に命令。
戦闘員達「了解」
P90の一斉射撃。
唯華「危ない!」
銃弾が渉に接近。
渉 「!」
渉、高速で銃弾を回避。
戦闘員3「?」
戦闘員3に近付く渉。
渉 「ハッ!」
戦闘員3を斜め一閃で斬る。
戦闘員4「この野郎!」
至近距離で、P90を撃つ。
渉 「甘い!」
戦闘員4を横一閃で斬る。
戦闘員5「喰らえ!」
戦闘員5と戦闘員6が同時に銃を撃つ。
渉 「そうは行くか!」
戦闘員5と6に、高速に接近、戦闘員5を袈裟斬り、戦闘員6を逆袈裟斬りで倒す。
戦闘員7「お終いにしてやる!」
拳銃を撃つ。
渉 「!」
高速でしゃがみ、銃弾を回避。素早く、戦闘員7の懐に飛び込む。戦闘員7を真っ向斬りで倒す渉。
唯華「凄い・・・」
感嘆する。
渉 「彼奴は!」
エギュを発見。
戦闘員8「俺達が相手だ!」
渉の目の前に戦闘員8、9が登場。
渉 「掛かって来い」
八相の構えになる。
戦闘員8「行け!」
右手から、ビームを撃つ。戦闘員9は、両手から、ビームを撃つ。
渉 「ビームか」
ビームが迫る。
渉、ビームを高速で回避。
渉 「トォウ!」
渉、戦闘員8と9に接近。戦闘員8を一文字斬りで倒し、戦闘員9を左袈裟斬りで倒す。
渉 「次は、お前か?」
エギュが目の前に出現。
エギュ「勿論、俺が相手になろう」
レザージャケットを脱ぎ、笑顔の表情。
渉 「!」
刀を強く握る。
エギュ「我等が特殊能力者怨敵Wマスター。ここで、お前を倒せば、先の戦いで散った同朋達の花向けになる」
渉 「此奴の特殊能力は何だ? 」
額に汗をかく。
エギュ「俺の力を説くと見よ!」
両腕を高く掲げる。
エギュの周囲に金属片や自動車の残骸が集まっていく。
唯華「何が起こっているの?」
ワゴン車の脇から、様子を見る。
金属片等がエギュの身体に合体変化していく。
そして、エギュの強化形態が完成。金属片等が胴体や足に合体し鎧と化し、両手が鉄の刃と化す。
エギュ「この姿を見た者は、生きては帰れぬ」
ニヤリと笑う。
渉 「その言葉覆してやる!」
帯刀ベルトに納めていた刀を抜いて右手は中段の構え、左手は上段の構えの二刀流になる。
エギュ「死ね! Wマスター!」
睨みつける様なエギュの顔のアップ。
渉 「来い! 特殊能力者!」
真剣な表情の渉の顔のアップ。
渉の刀とエギュの刃がぶつかり合う。
エギュの刃を渉が高速で回避。
渉の二本の刀の攻撃を、エギュの刃が弾き返す。
渉とエギュの高速の攻防戦が続く。
その攻防戦をワゴン車の脇で見ている唯華と隊員2。
隊員2「駒井隊長! どうしますか?」
唯華「AT4を持って来て!」
攻防戦を見て、何か思いつく。
渉とエギュの攻防戦。
N 「どうする、彼奴の身体の装甲は刀では簡単にはダメージが与えられないぞ」
渉の心の声。エギュの全身の画。
N 「そして、あの両手の刃。喰らったら、一溜りもないぞ」
エギュの手の刃の画。
N 「師匠なら、この局面をどう考える・・・」
額に汗。
渉 「!?」
後ろの放置されたバスに隠れて、唯華と隊員達がAT4(携行対戦車弾)を携帯して待機しているのに気付く。
N 「これだ!」
小さく笑う渉。
エギュ「もう後がないぞ」
ニヤリと笑う。
渉 「まだ、戦うさ!」
走って、攻撃に入る。
エギュ「フッ」
笑って、右手の刃を横に振り下ろす。
渉 「ハッ!」
両足で高く跳んで、刃の攻撃を回避。
エギュ「何!? 」
驚く。
渉 「今だ!」
叫ぶ渉。と同時に、瞬時に、横に走って回避。
回避と同時に、バスに隠れていた唯華と隊員達が前に出る。
エギュ「何!?」
素早く、AT4を構える唯華達。
唯華「発射!」
対戦車弾を発射する唯華達。次々と、エギュの身体の装甲に着弾し、爆発する。
エギュ「謀ったな!」
焦る。
渉 「自分の心配をしたらどうだ?」
エギュの目の前に現れる。
エギュ「シマッタ!」
身体の装甲が、先程の攻撃で、破壊されている事に気付く。
渉 「装甲が脆くなった! さあ、反撃だ!」
二刀流の構えになる。
渉 「連続斬!」
走って、エギュに向かう。
渉 「1! 2! 3! 4! 5! 6! 7!」
次々と二本の刀で、エギュの装甲を吹き飛ばしていく。
渉 「8!」
エギュの左手の刃も吹き飛ばす。地面に刃が突き刺さる。
渉 「観念しろ」
刀を構える渉。
渉 「まだ、一本刃がある!」
睨む様な表情。
再び激突する二人。
エギュの刃の攻撃を回避し、逆袈裟斬りで刀で右手の刃を吹き飛ばす。
渉 「終わりだ!」
二本の刀を十字に構える。
一直線に、エギュに走る渉。
渉 「クロスフラッシュ!」
エギュを二本の刀で十字に斬る。
エギュの身体の前に十字の残光が出現。
唯華「十字の光!」
驚く。
倒れるエギュ。
渉 「勝った」
倒れたエギュを見て言う。
⑱蔵・内部
内部。
立て掛けている二本の刀の前に渉が居る。
渉 「師匠。特殊能力者との戦いに勝ちました」
刀を見て言う。
渉 「これから、僕の本当の戦いの始まります」
真剣な表情の渉。
渉 「見ていてください。師匠の分も戦い続けます」
上を見上げる。
渉 「長く苦しい戦いになっても、僕は勝利します! この二本の刀と共に!」
決意を固め、一礼する。
二本の刀を背に、真剣な表情で歩く渉。