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超濃縮水素水原液「primoH+(プリモエイチプラス)」による難治性アトピー性皮膚炎の皮膚改善例と補足のアドバイス

はじめに

アトピー性皮膚炎は、強い掻痒(そうよう)および慢性・再発性の湿疹を特徴とし、患者のQOL(生活の質)を著しく低下させる疾患です。原因としては、皮膚バリア機能の低下および免疫バランスの異常が考えられており、ステロイド外用薬、免疫調節薬、保湿剤などの多彩な治療法が存在します。しかし、難治性の症例では従来の治療で十分に改善が得られず、長期にわたって症状が遷延することが少なくありません。

近年、水素には抗酸化作用および炎症性サイトカイン産生を抑制する可能性が示唆されており、水素水を用いた新たな治療アプローチが注目されています。今回、「超濃縮水素水:primoH+(プリモエイチプラス):(以下、プリモ)」による局所治療で良好な経過をたどった難治性アトピー性皮膚炎の一例を経験したため報告します。


症例

  • 患者:30代女性(職業:看護師)

  • 主訴:頚部・顔面の紅斑、乾燥、掻痒

  • 既往歴・治療歴

    • 5年以上前よりアトピー性皮膚炎と診断

    • 3年ほどステロイド外用薬、免疫調節薬、保湿剤による加療

    • これらの治療にもかかわらず、頚部を中心とした皮疹と強い掻痒が持続していた。

  • 生活背景:看護師として夜勤交替勤務を行っており、不規則な生活リズムやストレスが症状を悪化させている可能性が示唆された。


治療方法

本症例では、これまでの治療で十分な効果が得られなかったことから、抗酸化作用が期待される「プリモ」の局所散布を導入した。具体的には下記の要領で施行した。

  1. 使用製剤:超濃縮水素水原液:primoH+(プリモエイチプラス)

  2. 希釈方法:20倍に希釈 【30ml入りのミストスプレーにプリモ付属専用スポイト1杯分(1.5ml)+水28.5mlで混和】

  3. 塗布方法:1日3回、ミストスプレーにて頚部を中心に散布(顔面・耳周囲を含む)

  4. 治療期間:1か月間継続

なお、ステロイド外用薬や免疫調整剤などの従来治療はプリモ導入時に一旦中止し、プリモ散布と保湿剤で経過を観察した。


治療経過

治療前の皮膚所見

  • 頚部から下顎周辺にかけて、紅斑や色素沈着、掻破痕(そうはこん)を伴う苔癬化(かいせんか)が認められ、表皮がはがれザラザラしている。

  • 夜間の強い掻痒により睡眠が妨げられるほか、勤務中も無意識に掻いてしまうことが多く、患者はQOLの著しい低下を訴えていた。

治療後1か月の皮膚所見

  • 頚部の紅斑や色素沈着の程度が軽減し、表皮が改善しツルツルしてきた。

  • 患者自身も「かゆみの頻度と強さが大幅に減り、睡眠が改善した」と述べ、掻破による皮膚ダメージも少なくなった。

  • ステロイド外用薬を使用せずとも、炎症・掻痒を抑制できており、勤務中のストレスが軽減した。

下記に治療前後の写真を提示する。治療開始前の頸部皮膚には広範囲の炎症と色素沈着が確認されるが、治療後は発赤・乾燥が目立たなくなり、全体的に明るい皮膚色調となっている。

左頚部  左:プリモ散布前、右:プリモ散布1か月後
前頚部  左:プリモ散布前、右:プリモ散布1か月後
右頚部  左:プリモ散布前、右:プリモ散布1か月後

考察

本症例では、難治性のアトピー性皮膚炎に対して「プリモ」を局所散布した結果、短期間(1か月)で目立った臨床改善が認められた。水素には強力な抗酸化作用があると報告されており、以下のような作用機序が考えられる。

  1. 酸化ストレスの軽減
    アトピー性皮膚炎では慢性炎症により活性酸素種(ROS)が過剰産生され、組織障害や炎症を増悪させる。水素がこれらの活性酸素種と反応し、酸化ストレスを軽減した可能性がある。

  2. 炎症性サイトカイン産生の抑制
    水素は、炎症に深くかかわるサイトカイン(IL-6、TNF-αなど)の産生・放出を抑制する可能性が示唆されている。本症例でも、炎症および掻痒が改善した背景にはサイトカイン産生の抑制が寄与していると考えられる。

  3. 皮膚バリア機能の回復
    皮膚の炎症が抑制されることで、バリア機能が回復しやすい環境が整い、結果として乾燥や表皮のザラザラ感の改善につながったと推察される。

本症例においては、プリモ以外の外用薬を中止していたこともあり、純粋に「プリモ」の効果を観察できた点は興味深い。さらに、本症例は看護師という職業上ストレスや睡眠不足が発症・増悪要因になり得るが、治療後は夜間の瘙痒が軽減し、生活の質が大きく改善された。


以上、難治性アトピー性皮膚炎に対するプリモ(超濃縮水素水)による治療の有用性を示唆する貴重な一例について報告しました。


☆補足☆ 

ワンポイントアドバイス:外用薬の適否について

赤い皮膚炎(紅斑)をどう観察するか

赤い皮膚炎(紅斑)ができた場合、塗り薬が効く病態かどうかを簡単に解説します。塗り薬にはさまざまな種類がありますが、ここでは「どんな塗り薬を使うか」ではなく、「塗り薬が効く皮膚の状態」について説明します。まずは、皮膚の構造を理解することが重要です。皮膚は以下の三層構造から成り立っています。


皮膚の三層構造

  1. 表皮:外用薬の主な作用範囲、外界とのバリア機能を担う

  2. 真皮:血管や神経、毛根などを含む層、外用薬の浸透は限定的

  3. 皮下組織:主に脂肪で構成される層、保温や衝撃吸収の役割を果たす

皮膚の三層構造

外用薬の作用範囲と限界

外用薬は主に「表皮」に作用するため、「表皮」に病変がある場合に効果を発揮します。一方、真皮や皮下組織の病変には薬剤が到達しにくいため、効果は期待できません。たとえば、蜂窩織炎のような皮下組織の感染症には、内服や注射などの全身的な抗生剤治療が必要となるわけです。


1. 外用薬の効果が期待できる表皮に関連する病気

表皮に病変がある病気の特徴として、以下のような症状が挙げられます:

  • 表面がザラザラ、ジクジクしている

  • 凸凹が明らかに見られる

  • 白い皮(鱗屑)がむけている

主な病気の例

  • アトピー性皮膚炎、湿疹、真菌感染症(例:水虫、カンジダ)、乾癬

左上:乾癬、右上:皮膚真菌症、下:湿疹
外用薬治療が効果的な表皮病変の模式図

2. 外用薬の効果が期待しにくい病態(真皮・皮下組織の病変)

真皮や皮下組織に病変がある病気では、外用薬の効果は限定的です。これらの病態では、内服や全身的な治療が推奨されます。

特徴的な症状

  • 表面がつるつるしている

  • わずかに膨らんでいる

  • 熱感や発熱がある

主な病気の例

  • 薬疹、蜂窩織炎

左:蜂窩織炎、右:薬疹
真皮病変の模式図

外用薬の適否のまとめ

  • 「表皮」の病変には外用薬が効果的です。

  • 真皮や皮下組織の病変では、内服治療や全身療法が選択されます。

ただし、これらは大まかな分類であり、例外も存在します。


参照文献

『誰も教えてくれなかった、皮疹の診かた・考えかた』 松田光弘 著


最後に

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

高濃度水素水(プリモエイチプラス)の活用について

「プリモ」は水素による抗酸化作用、抗炎症作用を有しさまざまな表皮の病態に効果を発揮します。基本構造が水であるため、全く無害です。「プリモ」を使用する際には、外用としての使うのか内服としての使うのかを区別するために、ご活用いただければ幸いです。


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