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在宅医療における、超濃縮水素水「primoH+/プリモエイチプラス」による糖尿病性足潰瘍治癒促進の一例

閲覧注意:治療経過に傷口の画像が含まれています。苦手な方や体調がすぐれない方は閲覧をお控えください。


背景

糖尿病性足病変は糖尿病患者における深刻な合併症の1つであり、進行すると下肢切断や死亡に至ることが多く、患者の生活の質(QOL)を著しく損なう。足潰瘍の5年生存率は約50%とされ、これは多くのがん患者の5年生存率よりも悪い結果である。また、死亡原因のうち約50%は心血管疾患(脳血管障害を含む)、25%が感染症、5%が悪性腫瘍とされている。

糖尿病性足潰瘍が難治性である理由として、以下が挙げられる。

  • 血流障害: 糖尿病性血管障害により末梢組織への血流が減少。

  • 神経障害: 感覚鈍麻により傷の悪化や感染に気付きにくい。

  • 感染リスク: 高血糖状態が免疫機能を低下させ、感染が進行しやすい。

治療の成功には早期発見と適切な管理が求められるが、在宅医療においては傷治療の連携が難しい場合も多い。本症例は、超濃縮水素水「primoH+/プリモエイチプラス」を用いることで足の潰瘍に変化が見られ、早期に閉創が実現した一例である。


症例

患者背景:
60代男性、糖尿病歴10年以上。HbA1cは14%と血糖コントロール不良。右下腿は壊疽にて切断。左足も壊疽が始まり、手術により救肢されたが、術後の傷が閉創せずに約3cm×2cmの潰瘍を形成していた。患者は一人暮らしで、基幹病院での保存的治療が難渋したため、訪問看護による管理が開始された。


治療方法

潰瘍部に「primoH+」1.5mlと水28.5mlで20倍の希釈水(ミストスプレー30ml)を作り患部に1日1回1-2噴霧、その後ワセリンを塗ったガーゼで保護し清潔を保った。


治療経過

6月19日(治療前、デブリードマン)

潰瘍は深く、肉芽組織が露出。周囲に発赤と腫脹を認めた

6月24日(治療開始日)

20倍水素イオン水を塗布開始。

6月27日(治療3日目)

発赤と腫脹が軽減し、感染徴候は見られない。急速に潰瘍底部の肉芽形成がみられている。

7月4日(治療11日目)

肉芽組織が充実し、潰瘍の深さが浅くなった。周囲皮膚の炎症もみられない。

7月12日(治療19日目)

潰瘍のサイズが縮小し、肉芽形成がほぼ完了。

7月18日(治療25日目)

潰瘍表面が皮膚で覆われ始めた。上皮化が進行。

7月25日(治癒完了:水素治療開始から31日)

潰瘍が完全に閉鎖し、瘢痕は最小限で安定した状態。

傷が完治したときのHba1cは10%でまだまだ血糖コントロールが不十分であったにも関わらず、約1か月で閉創に至った。


考察

本症例では、「primoH+」の使用により以下の効果を考えました。

  1. 迅速な感染制御
    抗酸化作用と抗炎症作用により、局所炎症を鎮静化し感染を抑制できる可能性。

  2. 治癒の加速
    水素の効果による肉芽形成と組織リモデリングが促進される可能性。(M1型マクロファージをM2型に分極させる可能性を示唆。)
    参考文献:Hydrogen Attenuates Inflammation by Inducing Early M2 Macrophage Polarization in Skin Wound Healing  

  3. 在宅での管理の可能性
    非侵襲的かつ簡便なケア方法であり、在宅環境で誰でも行える方法である。

水素療法は、感染管理が困難な糖尿病性足潰瘍において、補助的な治療法として有効である可能性が示唆される。本症例はその有効性を示した一例であり、さらなる研究とエビデンスの蓄積が求められる。


結論

超濃縮水素水「primoH+」などの水素を用いた糖尿病性足潰瘍治療は、早期の感染制御と潰瘍閉鎖を実現し、患者のQOL向上や生命予後に寄与すると考えられる。本症例は、水素療法の新たな可能性を示す重要な一例である。


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