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アンバランスな夏の果てだ。
私の長期休みは必ず何か事件が起こる。
いや、事件と呼ぶに値しないことかもしれないけれど、
まあ、私にとっての事件。
実際、春休み起きた事件は驚くほど「酷く落ち込んだこと」。時間がありすぎるって怖いことだと思った。自分と向き合いすぎて、どうにもならないことで頭がいっぱいだった。
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だから夏休みはせめてたくさん予定を入れよう。予定をたくさん入れれば落ち込むこともないだろう。そう思って実家に帰省する前から予定を詰め込んで、詰め込んで詰め込んで……
もう予想はできますよね。そうです、見事に体調を崩しました。
まさかの旅先で謎の高熱を出し、ほぼとんぼ返り。
なんかもう悲しい通り越して笑えてしまう。
例の感染症ではなかったのですが、お医者さんには「疲れとストレスで免疫力下がって感染してるよ」と。
約10年お世話になっている先生には「早めにアパート帰ったほうがいい」と。
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実家に長く滞在することに向いていないのかもしれない。どうしても家族の疲労している姿を見るのが辛くて先回りをして毎日家事をして、両親が私に望むことを見越して行動して。先生にこのことを話したら「それは家政婦だよ」と言われた。うん、確かに。
一緒に旅先を歩いた友人には迷惑をかけてしまったし、お詫びを込めてたくさんご馳走しなければ。あなたじゃなきゃたぶん、素直に体調悪いって言えなかった。幼馴染っていう関係が私に在ることに、改めてとっても感謝することができた日でもあったから、悪いことだけじゃなかった。
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毎回体調を崩してから自分の体力があまり無いことに気づく。本当に極端でアンバランスな奴だなあと思う。その繰り返し。
こうやって少しずつ少しずつ、私は小さな修正をしながら生きていく。
それでいいんだと自分に言いながら歩いてる。
そんな夏の果て。静かで、寂しくて。
同じ日を過ごしているはずなのに、いら立つほどの暑さが無くなった涼しげな夜は、いつもより静かだ。