エンタープライズセールスとして、顧客について深く知るために行ったこと
自己紹介
LayerXのバクラク事業部で、エンタープライズ部のアカウントマネージャーを担当している、宮崎(@miyachan_x)です。
2019年に入社し、ブロックチェーン領域の事業開発を経てから、バクラクシリーズの立ち上げに従事してきました。バクラクが正式にリリースされてから、早くも3年が経っており、とても感慨深いです。
正式リリースから1年経った頃の様子は、こちらの記事からご覧いただけます:https://note.com/miyachan_x/n/n51574c894e20
エンタープライズ部について
ありがたいことに、現在、バクラクシリーズの利用社数は急激に拡大しており、直近では大企業から自治体まで、幅広い属性のお客様にもご導入いただいています。
そんな中、より従業員規模の大きなエンタープライズ企業のお客様に対し、適切にサービスを届けられるように、社内で新たにエンタープライズ部が設立されました。
エンタープライズセールスについて
エンタープライズ部では、「アカウントマネージャー(AM)」という職種の人間がセールス業務を担当しています。
実態としては、IS・マーケティングチームやCSチームと連携しながら、商談を進めるほか、お客様の声をプロダクトマネージャーに持ち帰って新機能開発へフィードバックを行う等、事業開発のような業務も担当します。
顧客解像度をあげるため、インダストリーカット体制に移行
AMチームでは、インダストリーカット体制を取っており、1人複数の担当業界を持ち、それぞれの業界の顧客を担当していることが特徴です。
特にエンタープライズ領域では、複雑な基幹システムや業務モジュールが多数存在し、一度のお打ち合わせで全容を理解することが難しい場合が(多々)あります。
しかし、同業種のお客様と商談を重ねていると、業界・業種に紐づく特有の慣習や業務フロー、会計手法、ポピュラーなシステム構成等が浮かび上がってきます。これにより、お客様同士で類似している部分や異なる点等が見えやすくなり、既存事例を元にした提案が行いやすくなります。
このように、インダストリーごとに体制をわけることで、組織としての学習効率が向上したと感じています。
現場を見ることが何よりも大事
お客様の業務構造や課題に対し、高い解像度を持つことは、AMの業務において非常に重要です。
書籍や座学での勉強はもちろん重要ではあるものの、もっとも重要な手法はなにかと問われたら、LayerXのメンバーであれば、おそらく全員口を揃えて「お客様のいる現場へ伺って、生の声を聞くこと」と答えるのではないかと思います。
こちらに関しては、事業開発部の稲田さんの記事がとても良かったので、貼らせていただきます。
現在、私は消費者向けサービス業界の中で、ホテル業界のお客様を担当させていただいています。
お打ち合わせでお客様のホテルへ訪問することもあるものの、過去にホテル業界の業務を経験したことはなく、いつかもっと現場の業務を見てみたいな、と思っていました。
実際にやってみた (ホテル業界編)
そこで、2024年の正月は、タイミーで客室清掃のアルバイトにチャレンジしてみました。以下では、その体験談を記載したいと思います。
※ 詳細は一部、ぼかしています
1. ホテルの種類について
ホテル業界は、ものすごくざっくりわけると、①ビジネスホテル系、②シティホテル系、③リゾートホテル系と、立地や用途、提供サービスの幅(レストランや宴会等の有無)に応じて、分類することができます。
今回、私が選んだのは③のリゾートホテルで、中でも富裕層の顧客が多く、
個人的に馴染みの薄い「会員制リゾートホテル」を選択しました。
客室の稼働率は、ホテル業界では重要な経営指標です。
同じ会員制でも、会員が1部屋を通年所有する方式もあれば、同じ部屋/フロアを複数名で共同所有し、宿泊日数を融通しあう方式もあり、様々です。
後者は、稼働率をあげながら会員数も増やすことができるビジネスモデルで、今回私が行ったのも後者の共同所有方式の施設でした。
2. 当日の流れ
お正月は、ホテル業界の繁忙期です。
私が伺った大晦日は満室で、元旦は大半のお客様がチェックアウトをしていました。夕方にチェックインするお客様たちのために、手際よくお部屋を清掃することがミッションでした。
当日は下記のようなタイムラインで動きました:
3. 役割分担
はじめてやった客室清掃ですが、連携プレーが重要でした。
ロールとしては以下の3つに分かれて、一部屋に対し、①→②→③の順に、清掃が入るようになっていました。
①シーツ・リネン係
②掃除機係
③水回り清掃係(トイレ・風呂場)
外見上は、ホテルの従業員として振る舞うことになるため、廊下や共用部でお客様を見かけた際のマナーもしっかりと教わった上で業務に入らせていただきました。
やってみて学んだこと / 面白かったこと
「お部屋はお客様の資産である」
当日、業務について説明を受ける際に「お部屋はお客様の資産であることから、大事に扱う必要がある」という旨のお話があり、常にその重要性を感じながら業務に臨みました。
単に部屋を綺麗にすれば終わり、ではなく、会員様の資産をお守りするために何をすべきか、というマインドセットの上に業務が設計されていました。それに対し、高い誇りを持ちながら働いている人たちがいて、とても感銘を受けました。
仕事中はいっぱい歩く / 長距離移動をせざるを得ない事情がある
ホテルはもちろん、お客様へのおもてなしが第一になります。
それは建物の設計にも現れていることがわかりました。
お客様の導線は、受付からエレベーター、そして客室へ行くまでシンプルな導線であるのに対し、ホテルスタッフは裏側の複雑なルートを歩く必要がありました。
今回伺ったホテルでは、従業員用のエレベーターがなく、客室からは見えない裏側での階段移動が基本でした。歩数が増えるだけでなく、重たい備品を持ちながら階層移動をするのはなかなか大変で、非常に勉強になりました。
仮に、清掃部門のスタッフさんが、現場で受け取った請求書や領収書等を、経理部に直接渡しにいこうとすると、その受け渡しだけで、往復20分はかかりそうだな、と思いました。
清掃を進めながら、PCやスマホから書類をアップロードするご提案をして、お客様の業務を楽にできないか、など、営業の視点として思考を巡らせました。
客室備品の品目・数量が多数ある
清掃時に、部屋の備品が壊れていないか、不足していないか、もれなく確認を行いました。各フロアのバックヤードでは多数の品目を管理していました。
今後、バクラクのご提案に向けてお客様へヒアリングをする際は、こちらの経験が活かせそうだなと思いました。
やはり、現場で得られる学びはとても貴重で、改めてその重要性を感じました。
おわりに
以上がホテルの客室清掃を通じて得た学びでした。
たった1日でしたが、普段、私たちがホテルで快適に過ごせているのは、色々な人の努力が裏に存在していることを改めて実感しました。
そして、これらの業務に従事する皆様がより楽に一日を過ごせるようにするためにも、バクラクにさらにアップデートを重ねて、幅広いお客様へ届けていきたいと思いました。
エンタープライズ部のAMは、顧客課題にとことん向き合える、非常にやりがいのあるロールだと思います。興味を持たれた方は、ぜひお気軽にご連絡ください!
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