「課題を解き切れているか」
※ こちらは「LayerX Advent Calendar」 57日目の記事です。
LayerXで「バクラク請求書」のセールスを担当しております、宮崎(miyachan)と申します!
前回の記事をご覧くださった皆様、ありがとうございます。この記事をきっかけに多くの方とお話ができて、大変嬉しく思います。
年の瀬を感じるこの時期、この1年の備忘録として、前回に続く記事を書きたいと思います。
弊社の「バクラク(旧 LayerX インボイス)」は2021年1月に正式リリースされたプロダクトでして、昨年の今頃(2020年12月頃)は、まさにサービスリリース前夜にあたります。
実は当時、本日ユーザー様に使われている多くの便利な機能のうち、大半はまだ未実装の状態でした。この状態をガンダムで例えるならば
といった状態で、各社様ごとに異なる業務フローの中でしっかりとお使いいただくためには、まだまだ作るべきものがたくさんありました。
セールスデビューして1~2ヶ月程度だった当時の自分も「このまま正式リリースして、無事に売上を伸ばすことができるだろうか……」と、年明けに向けてそわそわしていたのを覚えています。
あれから1年だった現在、結果としてプロダクトは順調に成長しており、これからの飛躍に向けて、日々忙しく活動することができています(嬉しい悲鳴!)
一方で、ここに至るまで、すべてが順調という訳ではありませんでした。
お客様がまったく増えなかった時期もあり、とても苦しかった記憶もあります。
せっかくの機会なので、改めて「プロダクトが売れない」とは具体的にどういう状況であったのか、このタイミングで振り返りたいなと思います。
以下本文では、「バクラク請求書がまだ売れてなかった頃」にフォーカスをあてて、サービスリリース最初期の様子について、書いていきたいと思います。
リリース直後は売れず、焦りやすい
前記事でご紹介した通り、サービス開発前後のヒアリング段階では、サービス内容については、至極抽象的なご案内に留まっていました。
このタイミングでは「良さそうだね!」「導入したいです!」とポジティブな反応をいただくことが多いものの、やはりモノがない以上、お客様としても評価しづらく、総じて良い反応以外のリアクションができない、という時期だったと振り返っています。
その一方で、サービスが完成したタイミングで、実際にお見せしにいくと、今後は評価が一転して「今のウチでは使えないです」「この機能がないなら無理です」と、極めてシビアなフィードバックをいただく日々が続きました。
全力で作ったプロダクトが、なぜかお客様に評価されない。
こんなにも売れないものなのか。なぜ、どうして売れないのか。
当時の議事録を見返すと、どこか空回りしている感覚があり、チーム全体としてとにかく「焦りに支配されていた」時期だったと記憶しています。
ビルドトラップの誘惑
1社でも良いので、とにかく実績を作りたい。
こうした思いとは裏腹に、売れない日々が続くと、セールスとしても
と、不安に駆られていました。
一方で、いただくご要望は無数に積み重なっていき、Airtable(※ チームでお客様のご要望・タスク管理のBacklogツールとして使っていました)はすぐにパンパンになりました。
お客様の課題を解決するためにも、何とかプロダクトを前進させたい一方、ご要望は多岐に渡り、方向性はバラバラ。どのご要望から着手するのが良いか判断が難しい状況でした。
無闇に手をつけるとチームのリソースが分散し、全体のベロシティが落ちるリスクも懸念されます。
とにかく1社目の実績を作るためにも、今目の前にお客様がお話されている機能要望について片っ端から着手したくなってしまう。たとえ個社にしか存在しない、固有すぎる課題へと傾倒してでも、Quick Winを狙うべきか、逡巡する瞬間がありました。
「課題を解き切れているか」
暗中模索する中で、ある日の定例ミーティングで、福島さん(@fukkyy)が放った言葉が印象に残っています。
今振り返ると、売れない状況を打破するきっかけとなったのは上記の言葉があったからかもしれません。
ひとつひとつのご要望に向き合うことはとても大事です。一方、すべてのお客様の体験をしっかり向上させるためにも、特定の課題へフォーカスすることも、また重要だと思います。
セールスの立場でお客様からいただくご要望の中には、① 実際のプロダクトを触ってはいないが出てきたご要望と、② 実際にプロダクトを実務で使おうとする中で出てきたご要望、の2種類があり、これらは慎重に見極める必要があると思います。
特にプロダクトの立ち上げ最初において、「MVP(Minimum Viable Product)」から「MSP(Minimum Sellable Product)」へと至るためには、②の後者のご要望へ、よりフォーカスすることが重要だと思いました。
売れない状況を打破するため、またプロダクトをMSPに到達させるため、チームとしては、以下2点を突き詰めて実行する必要がありました。
実際に触ってもらう
上記を実現するために、リリース直後においては、下記のような取り組みを行っておりました。
最初期は特に、実際にお触りいただくために、お客様のオフィスへ訪問させていただき、1~2時間程度のハンズオンミーティングにて、トライアル環境をお渡しする試みを行っていました。
結論、生のお客様から得られる情報量は桁違いで、やってよかった取り組みだったと思っています。
例えば、当日のハンズオンの中で、使い方の流れをご説明するだけでも大きな学びがありました。
このように、表面的なお打ち合わせだけではわからなかったお客様の課題感について、実際の業務の中で活用しようとする様子を生で見ることで、抜群に解像度が高まっていきました。
上記ハンズオンが終わった後は、お客様にトライアル環境を持ち帰っていただき、実際の日々の業務の中でご利用いただきました。
残念ながら、まだまだ機能が不足している状況では、やはりなかなか触っていただくことができず、望む通りの進め方で触っていただくことが難しい場合もあります。
しかし、そういった状況において表出する機能不足や課題感こそが本質的に重要です。これらは、プロダクトをMSPへと高めていくために最優先で取り組むべきタスクであり、一歩ずつ改善を重ねていくことで、気づけばやがて、日常業務に欠かせないツールへと発展していけるのだと思います。
BtoB SaaSのセールスが一番最初にやるべきこと
プロダクトが売れていなかった時期を振り返って、改めて当時の自分に一言だけ助言できるとしたら、最初期のセールスとして、下記3つの集中するように話すと思います。
あくまで個人の経験のため、すべてのセールスの方々へ共通して言えることではないと思いますが、一経験として、このアドベントカレンダー内に残しておきたいと思います。
さいごに……
いかがでしたでしょうか。LayerXは、事業拡大に向けて、やりがいのあるチャレンジにあふれています!
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