ANUNAのローレンが歌う"ゾンビ”。ガザの地獄が切なく頭に浮かんできた
ANUNAネタ3回目です。すっかりANUNAにハマリました。
今回は、12月1日に所沢市民文化センターミューズでローレン・マクグリンが 歌った"ゾンビ" についてです。
ANUNAはアイルランドのコーラスグループで、今回ANUNAを日本に招聘した会社のサイトには次のように紹介されていました。
一方、" ゾンビ " という曲はクランベリーズ(The Cranberries)というアイルランドのロックグループの曲なので、ANUNAがカバーするのは珍しいのではないでしょうか。なにしろクランベリーズの演奏するオリジナル "ゾンビ" は重低音で迫力あるサウンドなんです。それに、この歌はかなり政治的な反戦歌なのです。
このような曲を18歳の可憐な少女が歌ったわけですが、透き通る美しさだけでなくダークな強さのある声で "Zombie" の訴える悲しさや憎しみや地獄をストレートに表現していると感じました。筆者はこれを聴いていてガザを思い浮かべました。
ちなみに、以下に引用したクランベリーズのYouTubeの動画は15年前公開となっていますが、今、視聴回数は16億回を超えています。
" Zombie" の歌詞は、1993年に起きたIRAの爆弾テロで二人の子どもが死亡し、多数の負傷者がでたテロ後に、クランベリーズのボーカルであるドロレス・オリオーダンが抗議のために書いたと言われています。筆者が若い頃はIRAのテロが頻繁に起きていました。現在でも日本の外務省の海外安全ホームページにはIRAテロに関する情報が掲載されています。イギリスにおける複雑なアイルランド問題は今でも続いています。
"Zombie" の歌詞の中に「1916年から」という部分がありますが、これはイギリスの支配からアイルランド独立を目指して1916年に起きた「復活祭蜂起」という反乱のことを指しています。
イギリスにおけるアイルランド問題は、イスラエルとパレスチナとの複雑な関係にも似ているように思います。正しい答えがない問題。
子ども達が殺され、人々の心が壊れていく。それが延々とくり返されていく。ゾンビのように。
ご参考までに歌詞を引用しておきます。上記のクランベリーズのビデオイメージは歌詞のイメージ通りに制作されていますね。
なお、2018年にボーカルのドロレス・オリオーダンさんが46歳で急死しました。日本のテレビでもニュースになり、驚いた記憶があります。死因は入浴中の水死だったそうです。
バンドはその後、解散して現在は活動していません。
また、12月に入り本格的な寒さを迎えたガザ地区。「乳児3人凍死」というニュースが流れてきました。ガザはこの世の地獄です。