このくだりを読んだときに「頭の中の独り言、頭の中の自分との会話」の害から抜け出すため、もがいているのは自分だけではなかった! ストンと腹に落ちて、なんだか軽くなったような気分になりました。
筆者が「頭の中の独り言、頭の中の自分との会話」を害だと明確に認識したのは15年ほど前です。その頃起きたあるコトに対する自分の「頭の中の独り言」を、自分自身が許せなくて自分を大嫌いになったときでした。あの頃は地下鉄の窓ガラスに映る自分の顔を見るのも嫌で、窓ガラスに顔が映らない場所を選んで立っていたものです。
あれからだいぶ年を経て還暦をすぎ、今度は床に入ってから「頭の中の独り言、頭の中の自分との会話」が暴走すると眠ることができなくなりました。若い頃は一晩くらい徹夜をしても平気でしたが、年を取るとそうはいきません。一睡もできなかった日には血圧がかなり上がって体調が悪くなります。毎日1時間程度のウォーキングを続けましたが効果はありませんでした。仕方なく病院で睡眠導入剤を処方して貰い、「頭の中の独り言、頭の中の自分との会話」が暴走しそうな夜には服用して寝ていました。しかし、この状態を放っておくことが良くないのは明らかなので、昨年、一計を案じて「坐禅」と「呼吸を意識した運動」を始めたのです。これが効き、今年に入ってからは一度も睡眠導入剤を服用せずに済んでいます。
「頭の中の独り言、頭の中の自分との会話」の解決策は、筆者は「坐禅」と「呼吸を意識した運動」でしたが、ナヴァルのは「瞑想」と「(主に)運動」でした。なんだか自分と問題認識や思考が似ていると感じました。これ以外にも、「100%のめり込めなければ大差で負ける」など「そうそう、そうなのよ」「だから私はダメだったのか」などと合いの手を(頭の中で)入れる部分が多かったからです。
つまり、モヤッとボンヤリとした自分の「感情」や「認識」や「問題意識」などを、自分よりもずっと適切に言語化してくれて理路整然と説明されていたということです。次回からはそれらを取り上げて連載していきたと考えています。
ナヴァル・ラヴィカントという人
1974年インド・デリー生まれの2024年現在50歳。キャピタル・ファンドを創業し活躍しており、44歳のときには「年間最優秀エンジェル投資家」に選出されている投資家・資本家・エンジニアです。
ナヴァルの生い立ちや育った環境は、ナヴァルという人となりを作った大きな要素なのでナヴァルの言葉を理解するために必要なことです。それはイントロダクション「私の背景」の先頭に書かれていました。
「シリコンバレー最重要思想家 ナヴァル・ラヴィカント」概要と目次
この本はナヴァルのツイートや講演などを集めて編集・構成した、いわゆる「ナヴァル語録集」です。以下に本の目次を引用しておきます。製本版もありますが、出版社サイトからは無料ダウンロードができます。筆者は無料PDF版を読みました。
本書のPDF版、mobile版、epub版は、Navalmanack.comから無料でダウンロードできます。日本語版は株式会社サンマーク出版社のサイトから: