吉富昭仁 (ツレビト)
「魂」の物語。
「死」の物語。
「ツレビト」とは、死んだ人間の魂を
死の世界へ通じる”門”まで連れて行く者のこと。
この話は主に生と死の<間(はざま)>で起きることが主になっています。
時間と空間の概念がない、生の世界と死の世界が融合している場所。
そういう不思議な空間が吉富昭仁の繊細なタッチで見事に表現されています。
内容は初めは謎ばかりだったのが徐々に解明されてきて最後に全てが判明するという実にすっきりした終わり方になっています。
ただ、亜弥とセンドウの掘り下げがほとんどなかったのが残念。
作者自身、まだまだ描き足りないと言ってるので今後この話の続きが出るのだろうか?
「ツレビト」という観念は作者が考え出したものだから、
それを読者に理解して貰うために何度も説明をセリフで言わしているのだけど・・・
セリフで説明するのではなく話の中で読者に理解させて欲しかった。
全4巻では短すぎたのだろうか?
ま、とにかくこの作者の描く背が高くて寡黙な男性は私の好みなので、続きがあれば嬉しいんだけどなあ。
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