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浦沢直樹 (夢印)

これはあのルーブル美術館と共同プロジェクトで描いた作品なのだそうです。
最近の浦沢作品にしては珍しい1巻完結。短いのですごく読みやすかった。・・・けど、長いものに慣れてたからかちょっと物足りなくも感じましたけどね。
きちんと感想を書くとなると・・・ちょっとだけネタバレもしてしまうんですよね。だからネタバレが嫌いな方はこれより後は読まないでください。



いいですか、ネタバレになりますよ。

この登場人物の中にイヤミがいるんです。そう、あの赤塚不二夫のイヤミです。勿論この作品の中ではイヤミとは言わなくて<おフランス研究所の所長>なんですけどね。かなり重要な役どころです。表紙にもちゃんと<協力/フジオプロ>って書いてます。
浦沢タッチで描かれたイヤミは本当にやっぱりイヤミそのもの。以前、浦沢先生が描かれたアトムやお茶の水博士がちゃんとそのように見えるのと同じです。
イヤミは不思議な人物という感じに描かれてて、結局正体はよくわからないまま終わるのだけど・・・それがいい味を出しているように思います。


この作品に関して思ったこと、感じたこと、言いたいことがいっぱいあります。でもいっぱいありすぎて書ききれません。なので、ほんの少しだけ思ったことを書きます。単に私が思っただけのことですので正解かどうかは知りません。
まず、1ページ目とラスト近くのイヤミとキョーコのシーンですけど、パッと見て感じたのは、あのウルトラセブンの最終回の衝撃の告白シーンなんですけど・・・それって私だけの思い込みなのかしら?
ルーブルとの共同プロジェクトだけあって、本当にルーブル美術館そっくりに描いてあるってこと。フェルメールの「レースを編む女」の額も本物そっくりに描いてあるし、飾ってある場所もたぶんああいう感じの場所にあったと思うんですよね。イヤミが描いたという「レースを編む女」の額は違う額になってますしね。かなり細かいところまできちんと描いてるんだなって感心しました。
ダンカン大統領の顔は誰がどう見ても<ト〇ンプ大統領>!ラスト近くのルーブル美術館でのダンカン大統領がいっぱい・・・のシーンが笑えます。このあたりのエピソードが唐突な感じもしないわけでもないのですが最初の町工場のシーンとちゃんとつながっているわけでして大したもんだなあって思うのです。
ストーリー自体はかなり強引にまとめ上げたっていう感じがしないわけでもないのですが面白くてぐいぐいと読ませる力が流石は浦沢作品!っていう感じです。
他にもいっぱい好きなシーンがあるのだけれど、まずは今回はここまで。


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