そして謎は残った 伝説の登山家マロリー発見記
(1999年12月10日 発行)
この本は、某図書館の当時の館長さんに教えて貰って読んだ。
『ニューヨーク・タイムズ』紙の記者に
「何故エヴェレストに登りたいのか」
と質問されて、
「そこに山(それ)があるから」
と答えた。
というエピソード程度は知っていたが、
その時私はマロリーについてそれ以上のことは知らなかった。
だから、人に薦められなければたぶんこの本を読むことはなかったと思う。
この本を手にとって、まず驚いたのが表紙の写真。
ちょっと見ただけでは、マネキンが転がってるようにしか見えないが、
実はこれがマロリーの遺体なのだ。
本の中にはもっとはっきりした遺体写真が載っている。
遺体発見の様子を描写した部分を一部抜粋してみる。
結局、エヴェレスト初登頂に成功したかどうか、という登攀史上最大の謎は謎のまま残ったわけだが、それはそれでいいような気もする。
・・・で、その謎をテーマに書いたのが夢枕獏の「神々の山嶺」。
非常に面白い作品だ。
小説の方を読んだ後、谷口ジローの漫画版を読んだ。
どちらも非常に素晴らしい作品だと思う。