一歩踏み込んだ企業研究
「業界、企業研究は何をすればいいのか?」
「やるように言われるけれど、具体的に何をしたらいいかわからない」
業界企業研究を漠然と捉えているため、
実際に、何をすればいいのか?
わからなくなっている学生が少なくありません。
たいていの学生は、 志望動機を書くとき、
説明会で聞いた話とHPの内容でまとめようとします。
HPを見てみても、
どうみればいいのかわからず、
業務内容や先輩の働く一日などをただ読んでいるだけなので
目の前を情報が流れていくだけで、
あまり自分の中に落とし込まれません。
そのため、
見終わってESを書こうと思っても、
どこをどうESに取り込めばいいのか?わからず
なんとなくで書いてしまいます。
HPには
「社会を支える」
「グローバルな視点で」
「人の幸せに貢献する」など
壮大でキラキラした言葉が多く並んでいます。
そうした言葉を引用して、
「そうしたグローバルな視点に共感しました」
「私の社会の役に立ちたいという軸と合致して」と
まとめるケースをよく目にします。
もちろんこうした内容も立派なESです。
実際話を聞くと、
「自分も社会の役に立ちたいと思っているので共感した」
ということで、素直な気持ちを書いています。
ただ
「どんな風に役に立ちたいの?」
「グローバルに展開していくうえで必要なものって何だと思う?」
と深く掘り下げていくと、すぐ言葉に詰まってしまうのです。
一見、聞こえのいい抽象的な言葉が並び
上手くかけたように感じてしまいますが、
実際は
実体のない、漠然とした内容なので
訴求力は弱くなります。
とても厳しい言い方になってしまうかもしれませんが、
世の中のすべての会社が誰かの役に立っています。
誰かの生活を支えています。
逆にいうと
社会の役に立たない仕事は仕事として成立しません。
そのため、
「社会の役に立ちたいと思い御社を志望します」という志望動機は、
どの業界の、どの企業にも言えることなのです。
人の生活を支えたい、社会に貢献したい、グローバルな視点で・・
こうした要素は、どこの会社も多かれ少なかれもっています。
そうした内容を
「なぜうちなのか?」をとてもこだわる企業の志望動機に自分は書くのか?
という点をきちんと認識したうえで書くことが必要です。
また、説明会やHPの情報は多くの人が簡単に入手できます。
入手しやすい言葉、
目につきやすい言葉であればあるほど、
多くの人が使う可能性があります。
人事担当者はその会社の志望動機ばかりを見ているので、
「本当に同じ言葉ばかりが繰り返されて苦笑いをしてしまう」
という人もいます。
「安易にHPの言葉を並べておしまい」というESが
通過しにくい理由がおわかりいただけたでしょうか?
ES通過でつまずいている人はぜひこの点を見直してみてください。
それでも
「私の軸は社会貢献だから書きたい」
ということであれば書くといいと思います。
たいていの場合、そうした学生は、
どういう風に貢献していきたいのか?
どんな貢献の仕方が社会に必要だと思うか?
いろんな貢献の仕方があると思うが、
これから求められる貢献はどんなものか?
といった質問に自分なりの考えを述べられる人が多いです。
深堀されたとき、自分なりの考えをしっかり応えられればいいのです。
では、
あいまいなままの場合はどうするか?ということになりますが、
もう一歩踏み込んで調べる必要があります。
インターンに参加して社員の働き方や社風をじっくり観察したり、
雑談を通して社員の人柄を感じたり、
社長のインタビュー記事などを読んでみたり
積極的に仕事を手伝ってみたり・・。
そして、
自分なりに感じたところや
惹かれたところや
興味をもったところを
具体的にあげていくといいでしょう。
そうしたことを、
その会社に入りたい気持ちとあわせて書いていくのです。
聞こえのいい抽象的な言葉や
どこかに書いてあるような情報を引用しようというよりは
自分自身が
やってみて、読んでみて、使ってみて、聞いてみて
そうして感じた気持ちや考えをそのまま正直に書く方が
ずっと説得力のある、人物像の伝わりやすいESに
なることが多い気がします。
欲を言えば、
正直な思いを書いただけのESにはまだ荒い部分があるので、
キャリアセンターなどで添削を受けて、
要点を抑えた読みやすい形に整えるとさらに良くなると思います。