女子学生に多い切り口
入社後やりたいことなどを問われ
商品開発や企画を希望する女子学生が結構多いです。
食べ物でも愛用グッズでも自分の好きなものに対して
今度は作る側に回りたいという思いを抱くのは
自然な流れなのかもしれません。
「私の強みを生かして顧客のニーズを探り、ヒット商品を作りたいです」
「お客様視点に立った商品企画や開発に携わりたいです」
「老若男女、幅広い人に愛される商品を作りたいです」
といった言葉が並びます。
お菓子やパンなど食品やシャンプーなど日用品
化粧品、雑貨、インテリア、出版の企画編集などで
多いように感じます。
「こんな風にという具体的なイメージはありますか?」と聞くと、
「それはこれから仕事をしながら考えていきたいです」と続きます。
「ヒット商品を生み出したい」という心意気はすばらしいのですが、
どの会社もそのヒット商品を目指して、
日々血のにじむような開発をしています。
市場調査を繰り返し、
何度何度も会議を開いて意見をぶつけ合い、
やり直して、やり直して、やり直して・・・
それでも、そんなに次々とヒット商品は生まれません。
そもそも、
ヒット商品というものは、
そんなに簡単に、安易に、次々と生み出せるものではないのです。
それを、
なんの経験もない、知識もない学生が
簡単にあっさり「ヒット商品を作っていきたいです」と言ってしまうと、
「そんなに簡単じゃないんだよ・・」と感じられてしまい
学生の甘さを露呈させてしまう可能性があります。
また
「いろんな人に支持される商品を作りたいです」といった言葉も、
最近は世代や性別によってニーズは多面化しているので
あらゆる層に支持される商品というのは、
昔から続くロングセラー商品を除いて、それほどありません。
いとも簡単にサクッといわれると
「そんな商品があるなら、ぜひ見せてほしい・・」と
思われるかもしれません。
時々、
自分なりに他社商品と比較したり、自社商品を分析した資料を持参して、
「自分なら・・」と話す学生がいます。
そこまでしていると、持参した資料が
強い意気込みや行動力の深さなどの表れとなり
逆に大きな可能性を感じてしまいます。
他にも
「営業などの現場仕事はいやなので、すぐに商品開発がやりたいです」
という人もいます。
現場を知らずに、顧客の生の意見を聞くことなく
多くの人に支持されるものが作れるでしょうか?
「現場を知らないと良い商品は作れないよね・・」と話すと
「・・・・そうですね、それでしたら3か月とか半年とか
期間限定であれば大丈夫です」と続きます。
これでは
「大変な仕事はいやで、やりがいのある格好いい仕事がしたい」
といっているようなものですね。
そうした学生を企業側はどう思うでしょうか?
商品開発というのは、売り上げに直結しますから、
会社の行く末を左右するとても重要な部署です。
自分が作りたいものではなく、売れるものを作るのが仕事なのです。
その視点を持ったうえで、再度考え直してみてください。
そうしたとき
「はじめは現場で経験を積んで、顧客のニーズや流行の傾向を把握し
いつか機会があれば企画職の方にも携わってみたいです」
といった謙虚な言い方をすると、
企画がやりたいという思いは同じであっても
採用者側が受ける印象はだいぶ変わってきます。
企画開発職を志望している人は、
こうした点を意識して、志望動機を考えてみてください。
ほかにも社会貢献を全面に出す人も多いように感じます。
CSRの一環での取り組みをあげて、
「素晴らしい、自分もやりたい」という展開です。
会社に惹かれた部分を具体的に書いてあるのはいいのですが、
あまり社会貢献への思いが強すぎると
「だったらNPOなどに行った方がやりがいのある仕事ができるのでは?」
と思われてしまう可能性があります。
もともと社会貢献への気持ちが強く、
そうした活動をビジネスにつなげていこうとする企業で
あればいいのですが、
本業が別にあり、
社会体面的に、事業のごく一部分としてやっている程度であれば
「うちの会社にきてもらっても、やりたい仕事はできないかもしれないな」
と思われる可能性もありますので、
話の後半部分や、プラスαくらいの位置づけで伝えるようにしましょう。
こうしたときも、
その企業がどのくらいCRSに力をいれているかで
同じ内容であっても
評価は変わってきますので、きちんと把握しておく必要があります。
そのためにも、企業研究が必要なのです。
志望動機を書くのは意外と大変です。
ですから、少しでも通過する可能性を高めた
ESを書けると良いと思います。
こうした視点を意識して企業研究や書類作成を続けてみてください。
5,6社くらい書くとだいぶコツがつかめてくると思います。