女性活躍道半ば-女性活躍推進法成立から10年
こんにちは。みやび@社会保険労務士です。
先週の日経新聞に女性活躍推進法が成立して10年となる記事が掲載されました。
ちょうどこの法律が始まったときに労働局職員として勤務していた私は行動計画の策定届出義務がある301人以上の企業への提出勧奨、内容チェック、届出登録に追われていた日々を思い出します。以下記事の解説です。
2025年で女性活躍推進法の成立から10年が経過しますが、女性の管理職比率の向上は依然として進んでいません。長時間労働や家事・育児の負担が女性に偏ることが主な要因です。これを受け、政府は法改正を通じて女性の登用拡大を図ります。
<改正法案のポイント>
男女賃金差の公表義務拡大:対象企業を従来の301人以上から101人以上に拡大し、対象企業数は約1.7万社から約5.1万社に増加。
女性管理職比率の公開義務化:101人以上の企業には、管理職の女性比率の公開を義務付け。
女性の健康課題への対応:行動計画に生理休暇取得などの課題を盛り込み、働きやすい環境整備を促進。
<女性登用の進展状況>
日本では、フルタイムで働く女性の賃金は、男性を100とすると78.7にとどまります(22年)。法が成立した15年の74.3から大きな改善はみられません(経済協力開発機構(OECD)平均は88.6)。
管理職比率も2023年時点で14.6%と低水準。法成立前の14年には11.3%で、大きな改善はみられない。内閣府によると、直近のデータでは管理職は米国、フランスでは約4割、ドイツでも約3割を女性が占めています。
世界経済フォーラム(WEF)が発表した24年版の「ジェンダー・ギャップ指数」によると、日本は146カ国中118位です。社会的意識改革が求められています。
<社会的構造の課題>
長時間労働:日本のフルタイム労働者の実労働時間は依然高水準。
家事・育児の負担:6歳までの子を持つ共働き世帯では妻が約6時間、夫は1.5時間と大きな差が存在。
ロールモデル不足:女性管理職が少ないため、若手女性が将来のキャリアを描きにくい状況。
女性の登用を進めるには、法改正による制度面の整備だけでなく、長時間労働の見直しや男性の家事育児参画、ロールモデルの提供といった社会全体の意識改革が必要と思われます。
正直、生理休暇に対する配慮が進んで女性活躍につながるかは疑問です。そして現状で女性管理職が少ないのは、男性以上に男性的な働き方ができる一部のスーパーウーマンだけが、管理職として登用されてきたからだという印象です。
時間的制約のある中で成果をだせる人が男女関係なく評価を受けるような仕組みづくりなど、女性がキャリアを築きやすい環境作りに取り組むことが人材不足克服や育児に係わりたい男性社員の定着につながると思われます。
女性活躍推進法に関する相談も