2023.5.10 VSサガン鳥栖

ビルドアップと利き足

4月30日ACL決勝1stレグ、5月6日ACL決勝2ndレグ、現地組の方、お疲れさまでした。自分はDAZN参戦でしたが、キングファハドスタジアム、埼スタの雰囲気、最高でした。浦和に関わる全ての方、お疲れ様でした、おめでとうございます!

スタメン

ACLの激闘を制してから3日空いてのスタメンは、GK西川、CBコンビ、ボランチコンビ、大久保はそのまま。酒井の代わりに明本、左SBには荻原、左SHは久しぶりのシャルク、トップコンビは、安居とカンテとなりました。
ACL決勝まではメンバーを固定すると言っていたので、今節からガラッとメンバーが変わると思っていましたが、最低限勝つために、真ん中の柱は変えませんでした。

浦和ボール保持

ACL決勝ではアルヒラルにボールを持たれる展開がほとんどでしたので、久しぶりにビルドアップをする浦和。鳥栖は去年対戦時からフォーメーションを変え、守備時4-4-2の形。ですが人に付いていくハイプレスの傾向は変わらずでした。
442にしては珍しく、2トップの小野、西川はCBに行かず、どちらかといえばボランチ警戒。代わりにSHがCBに食いつき、SBがさらに一列前にプレスしてました。
岩尾と敦樹を経由出来ない浦和は荻原か明本を使いますが、トラップした瞬間に目の前に鳥栖SBがいる状態。ダイレクトでパスするような早い判断を求められます。
次の出口となるのは大久保ですが、前に出た鳥栖SBのスペースではなく、内側に入ってもらい、逆サイドに展開しようと心がけます。自ら密集している所に入り込んでしまうので、ボールを取られることが多くなりました。
前半のビルドアップで問題であったのは、安居とカンテがビルドアップの最終出口になれなかった事。
大久保が内側に入り込むなら、そのスペースにカンテが走りこむだとか、大久保がわざわざ入り込まなくても、安居が受ければ良い。
小泉・興梠コンビに比べると、ボールに全然関わっていない印象でした。

それでもロングボールで相手陣地にボールを入れ、そのまま相手を押し込む展開は少なからずありました。
ではそうなったとき、どのようにフィニッシュするのかですが、成功したのは、左サイドでの荻原→シャルクか、荻原の1vs1で勝った時ぐらいでした。
逆に右サイドでは、敦樹・明本・大久保で崩そうとしますが、ニアサイド、いわゆるポケットのエリアに侵入するシーンはほとんどありませんでした。
こうなった原因としては、恐らく、明本・大久保コンビが『左利き』であるからと考えます。
右サイドのポケットに侵入した場合、クロスを上げるのは右足です。彼らの得意なのは内側をえぐるドリブルです。
じゃあ敦樹がポケットに侵入すれば良いではないか、ということなのですが、明本・大久保が高い位置を取っているので、取られた際のリカバリーの位置にいるように判断したのでしょう。
こうなるのなら、攻撃面だけで言えば、酒井の代わりは馬渡が良いのですが、彼はどうしてしまったのでしょう…

鳥栖ボール保持

鳥栖のボール保持局面です。
今節の鳥栖の特徴としては、2人の0トップでした。
4-4(+2)-0という形を取った鳥栖に対し浦和は、容易にハイプレスを仕掛けることが出来ませんでした。
カンテと安居はアンカーを消しながらCBを追いますが、その横のスペースに、0トップが顔を出してきます。これはACL決勝2ndレグで、カリージョがやっていたのと同じです。ここに顔を出された場合、プレスには出ず、4-4のブロックを崩さないのが今の浦和です。
鳥栖からすれば、この0トップに食いついてきてくれれば、そのスペースを誰かが使うのが一番良かったのでしょうが、あまりにも降りる位置が深すぎて、浦和の選手は無視していた印象です。結果的にも崩されてピンチになることもなかったので浦和のブロック守備は成功だと言えます。

失点シーン

そんな中、自分たちのミスで2失点もしてしまいます。
1失点目、流れとしては、西川から敦樹にフライパスし、それを明本に落とす。そこから安居への縦パスをカットされて、失点につながりました。
改善できる点があるとすれば、明本の身体の向きと選択肢です。
ボール保持の時にもそうでしたが、彼は左利きです。敦樹からの落としをトラップする際、身体が内側に向いてます。なので右に流れた敦樹に出せない状況を自ら作っています。
さらに敦樹、岩尾が右サイドに寄っているので、中盤が空洞化し、ミドルを打たれました。
配置が揃っていない状態で無理に繋ごうとすると、こうなるというのがよく分かったシーンです。

2失点目、小泉の簡単そうで難しい、数メートルのパスをミスし、失点しました。
この時の状況としては、岩尾が最終ライン落ちたので、ショルツとホイブラーデンは目一杯開いたポジションを取りました。
岩尾の意図としては内から外にボールを出すことで、鳥栖の守備組織を開かそうとしたのではないでしょうか。
確かに小泉が安居にしっかり落として、安居が前を向けていれば、一気にチャンスであったかもしれませんが、結果論だけで言えば、ショルツへのパスが正解だったと思います。

最後に

ここ3カ月ACL決勝に向けてメンバーを固定してきたので、サブの力が顕著に表れた試合であったと思います。それでも使っていかなければ成長しないのが人間。今月、来月はこういう試合が続きそうな感じがします。
勿論、ACL組に負けている状況を短時間で逆転できる力があればいいんですけど、そんな中で小泉のあのプレイを見てしまうと、不安な気持ちになりますよね。
また、今節では自分は明本が悪いというより、左利きに着目しましたが、明本が選ばれたのは彼のフィジカルやインテンシティの部分でしょう。元J2ながらあれだけの力と自信があるのはやはりACLで闘った部分が大きいと思います。今後はACLで培ったものを全選手見せてくれたらよいと思います。

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